ごっくん

あたしは薬を飲むのが嫌いです。錠剤タイプの。粉末タイプじゃありません。
苦いし、なんかしばらくのあいだ喉にひっかかってる感じがするし。
あたしがキリンじゃなかったから良かったものの、もしキリンだったらば三日から二年くらいは喉にひっかかってるのです。

でもこれは普通のことだと思うのです。
自然界には元々、薬なんかないんだから。事実、子供の頃、近所に住んでいたY君はすり傷をした時に、ただの雑草を薬草だと言い張って傷口に塗りたくっていましたが、赤い血に緑色が混ざっただけの結果に終わっていました。

しかーし、近代医学の申し子であるあたしですから、薬を飲まなければいけない時もあるのです。例えば風邪の時とか。

錠剤を口のなかに入れます。
水を含みます。
鏡に映るあたしは、ほっぺたぷくぷく。
･･･。
･･･。
じゃぱー。
薬も水と一緒に吐いてしまいます。
えへへ。
えへへじゃねーよ。

別に、これが普通だと思うのです。
ポルトガルでいえばカステラ並に普通なのです。