- 名前
- bumbum
- 性別
- ♂
- 年齢
- 38歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- ホラー映画が大好きです。 でも血がドバドバ出るのは苦手です。 怖い雰囲気を醸してるや...
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悠久回顧録
2011年06月23日 02:44
人が過去を振り返るときとは、どのようなときだろうか。
【糸を巻くとき】
過ぎ去った時間に思いをはせ、僕は『いつか』を手繰っていく。
目に浮かぶのは、戻らない日々。
【繭の中】
小学校が夏休みに入る前に、僕たちのクラスではあることを
決めなければならなかった。
あることとは蚕の飼育についてである。
僕のクラスでは班ごとに3匹から4匹の蚕を飼っていた。
班は基本、男3人女3人でまとまっており、一日ずつ交代で
飼育当番をしている。
飼育といってもただ、学校の近所から桑の葉をとってきて
飼育箱に入れて、一週間に一回の割合で箱の中を掃除する
だけなので特に苦というわけではない。
とはいっても、班には女子もいて、その女子たちは
「いやだぁ、触りたくないぃ」といって何もせず、
実際に作業をするのは、僕たち男しかいなかった。
ただ、夏休みに入ったらそんなことを言ってはいられない。
なにせ、班で交代して蚕の飼育を持ち回らねばならないからだ。
「男たちだけで蚕の世話してよ。」
班毎に分かれて、持ち回りについて決めているときにある女子が
僕たち男のみで世話するように言ってきた。
「いやだよ、おまえもやれよっ。」
同じ班の男子が女子に負けじと叫ぶ。いつもニコニコしてて
あまり、大声をはらないH君もさすがに怒っているみたいだ。
それを期に女子と男子であーだこーだと言いあいが始まった。
男子は日ごろの鬱憤がたまっているため、絶対に女子にも
蚕の世話をさせようとやっきになっている。
かくいう僕も蚕の世話などなるべくはしたくない。
せっかくの夏休みなのだ。気兼ねなく遊びに行きたい。
それに蚕のエサの桑の木がある場所にはたまにスズメバチが
飛んでいて、あまり行きたくはなかった。
是が非でもきちんと班で持ち回りを決めなければならない。
僕は密かに闘志を燃やしていた。
だが、結局は先生に持ち回りについて決めたことを話さなければ
ならないので、モチロン女子の言い分など通るはずも無く
女子、男子双方で持ちまわることとなる。
僕の当番は持ち回り最終日に決まった。
つづく
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