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最後のキッス

2010年10月30日 15:23

だれかさんの日記に触発されたからなのか、今朝は昔の職場で一緒だった「彼女」のことを思い出しながら雨の中をバイト事務所に向かっていた。

ところが電車の中で思い出そうとしても、彼女苗字がでてこないのである、「あれっ?」。

もうずいぶん昔のことだから忘れてもふしぎじゃないでしょ。と言う声と、まさか「私としたことが!」との驚きが入り混じりながら、事務所のある通りを半ば過ぎたころ。

「Yaxxxx」だっ! 

ようやく思い出したのだった。

彼女」と書いてはみたが、私が特別な感情を持ち始めた頃には既に彼女には、家族も納得しているという「婚約者」がいた。

それを承知のうえでも、とにかく少しでも一緒に居たかった。10円玉、100円玉をたくさん持って公衆電話に行き電話をかけた。職場飲み会の後には、気づかれないように途中で落ち合って彼女の家まで送っていった。

手紙も書いた、彼女もたまには返してくれた。一度だけ、一緒にシティホテルに一泊した。家族と同居の彼女テニスのしたくをしてやってきた(笑)。

楽しかった。一晩中、キスしてた。

その後一度、先方の親父さんに頭を下げにいった。例のあれである。でも最終的には、彼女は既定の人と結婚するために職場を離れていってしまった。私も、親父さんに会って帰る頃には気持ちがすっきりしていた。「やれるところまではやった。」

最後にふたりきりで会った晩、自宅のマンションまで送っていき屋上へあがる階段で最後のキスをした。彼女は少し拒絶の風を見せながらも応じてくれた。

最後のキスは生涯忘れられないほど甘美であった。

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