電気便座は夢を見るか。

コンビニのトイレを借りたんですよ。
しっかしあのシステムは誰が考えたんだろうね。

有り難い、すっごく有り難い。
しかし店員さんの気苦労が増える事も承知の上なので恐縮しながら扉を開ける。

すると目の前のトイレの蓋が音も無くスッと上がる。
背後では触れてもいないのに扉の鍵が閉まる音が。

だ、誰だっ、くせ者じゃっ！
天狗じゃ、これは天狗の仕業に違いない！

...いや、オレも２１世紀を生きる人間だから分かってますよ？
機械なんでしょ？オートマチックなんだよね？

しかしなんでこんな事をするのか意味は分からない。
非力とはいえ、さすがにトイレの蓋を開けるだけの筋力はありますよ。
トイレの鍵をかける常識もね。

便座に腰掛けてしばし考え込むと室内の照明がフッと消える。

うわあっ。

どうやらこれも対人センサーらしい。
驚いて腰を浮かすと照明が再度照らす代わりに用も足してないのに水がジャっと流れる。

....。
なんなの。なんなのコレ。

落ち着かない、すっごく落ち着かないよ、コレ。

これがアレか、科学技術立国日本が目指した未来の姿か！

左側を見れば「ビデ」とか意味の分からない暗号みたいなボタンがたくさんあるし、レバーはどこだよ！水を流す水洗レバーはよ！


...まあ、あれですよ、科学技術が進み過ぎるのもどうかなあって思う次第なんですよ。