おいしいご飯の炊き方

が分からないのですよ。それで困ってるんですよ。

...いや炊飯器の存在は知ってるよ！オレも持ってるよ！
つうかそいつのせいでオレは困ってるんですよ。

いやね、炊き込みご飯を作ろうと思ったのさ。炊飯器で。
必要な材料はお米、炊き込みご飯のもと、それからそれだけじゃさみしいんで追加で鶏肉とかしいたけとか油揚げとか。

それらを全部ぶち込んだ後は炊飯器のスイッチを押すだけ。
あとは神にでも祈っていれば細かい事は炊飯器の中に住む小人さんが全部やってくれるという寸法だ。

うーん、なんて手間入らずなんだろう。

待ってる間はゲームでもしてよう。
シヴィライゼーションというゲームを新しく初めてまずは都市を建設。労働者を制作しつつ、あたりを探索。
定石通り美学ルートから向かおうかね。そして後は展開次第なのだが、

ピピピッピピピッ。

...もう出来たみたいだ。随分早いな。

多少いぶかしんでみたものの右手にしゃもじ、左手に茶碗、という完全武装でいそいそと台所へ向かう。

さて。

炊飯器のふたを開けると、ほのかに香るだしと醤油のいいにおい。
艶のかかったあげと身のしまった鶏肉が覗く見事な、見事な.....

....まだ生だな、この米。

口に入れなくてもわかる。蓋を閉じる前と寸分変わらぬ姿がここにある。

ええい、どうしよう。
肉が生焼けだったらもう一度焼けば良い。
煮物が生煮えだったら引き続き煮れば良い。

けどご飯の場合は...全自動炊飯の場合はどうするんだろ？

しゃもじをかかえたまましばらく考えたのだがどうしようもない。
蓋を閉じ、小人さんの機嫌が直ってるのを期待しつつもう一度スイッチを押す。

なんか限りなく失敗の気がするんだが....それでも、それでも小人さんならなんとかしてくれる！