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山奥の田舎のお米は美味しいか?

2009年11月09日 00:05

「清冽な谷川の流れる里で、丹精込めて作りました。」
「天日干しの美味しいお米。」

言葉聞くだけでおいしそうと思ってしまった貴女、騙されてますよ。

だいたいこういった変な付加価値を植えつけられたお米というのは、我々農家も驚くほどの高値で販売されています。

で、そんなものが堂々とお歳暮などに使われる。

さて。

「山奥の田舎」なんぞでコメを作ると、お日様がぜんぜん当たらないばかりか気温も低いので、あまり美味しいお米にはならないのです。
しかも、「谷川の清らかな水」というのは、絶対的に養分が足りない。
ということで、平地より余計に肥料を使わなければならなくなります。

「天日干しのお米」というのもなかなか問題がありましてね。
お日様に乾かしてもらうことが危ういことは、現代の農家の常識になっています。
それは、水分量がまちまちになってしまうこと。
水分が多すぎるとカビが来たり、乾きすぎると米が割れてしまったり。
そもそも日光の当たり方が足りない場所で作ったものですから、当然そんな太陽さんできちんと乾くはずがありません。
しかも雨に夜露といった気象条件にも大きく左右される。
当たり前ですが、農協でそんな米は受け取ってもらえないのです。
そもそも、天日干しのお米がそんなに世の中に氾濫するはずも無い。

余談ですが、最近のお米は水分量をきちんと設定してあるので、一年中いつでも水加減で悩むことは無いんです。

では、どういうお米が美味しいお米なのか。

平地、もしくは台地で、きちんと太陽を浴びた肥沃な土地のお米。
そして素性の分かったお米。
素性の分かったというのは、誰が作っているのかということです。
農協に出すと、その時点で他の人の米と混ざってしまうのでお話になりません。

だから、自分のうちで籾の乾燥施設を持った、平均以上の設備の揃った大規模経営の農家から直接買うのがいちばん間違い無いんですよ。
多分、変な肩書きのある米を買うより全然安いはず。
そして、ぜんぜん美味しいはず。

言葉の裏にあるウソを見抜くことも、消費者として大切なことなのです。

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