観光地のある風景

若干引きこもりぎみの将太朗です。
新潟の週末はとても良い天気で、
久々にストレス発散のため、
ドライブに行ってまいりました。

新潟市は田んぼと海に囲まれたいわば
島のようなもの。
市街地（英語だとセントラルシティと言います。
こっちの方が中心街という意味では的を得ている
気がするんですが、どうでしょう？）
から車を走らせること１５分。
あっという間に田園風景。
稲刈りも終わり、秋も終わりかな、と思うと
少し寂しくなりますね。

観光地というには少し殺風景なのですが、
地元の人間にしてみれば
これが普通。
そして変わらない、愛すべき新潟の姿。

変わるのは人の心だけなんです。

さて、観光地というキーワードが出てきたので
みなさんに尋ねてみたいことが。

あなたは観光地というとどんな所を
思い浮かべるでしょうか？

自然が豊かなところ？
おいしいものがあるところ？
美しい建物がいっぱいなところ？
一日中いても飽きないところ？
心の琴線にふれるところ？

観光に行く、っていうのはやっぱり魅力的なんです。
なにせハレの日にわざわざ出かけるわけですから。
楽しみにしますよね、やっぱり。

でも近年、観光人口は減少の一途。
それは何故なのでしょう？

人は言います。

「もう、○○はいいよ。一回行ったから」

明らかに飽きられていますね。
それは魅力を感じ取れなかったのでしょう。

それは多分、旅行に対する考え方が何かずれているのが
原因かもしれません。

私は、観光地をテーマパークと勘違いしている
人が多い、と感じてます。

少なくとも観光協会は
その土地土地でお金を地元経済に落としてくれる
コンテンツ＝観光地と思っているのでは
ないでしょうか。

私には昔の考え、としか思えないのです。

現在、写真、動画などで
観光地の今の状況を知ることが出来ます。
そして、行かなくても
その美しい風景に満足してしまうのです。

以前にも書き込んだように、
旅というのは
ありえたかも知れない、自分のもう一つの
可能性を見つける場所。
想像力を働かせ、
ちょっとしたことに対し、感動するのが
目的。
現在の旅はおもしろそうなコンテンツに
直接行き、
人工的な楽しみを直接味わうだけの
いわば点と点を結ぶワープのようなもの。

そして、観光地の内容はさほど
変わらない。

変な建物
変な体験
変な偶然の出会い
いつもと違った不思議な食事
いつもと違った風習

を求める旅だったのに

観光地では
決まりきった接客サービス
きまりきった食事
決まりきった風景
決まりきったお土産屋

を追求しているような気がします。

違いは規模の大小のみ。
北海道から沖縄まで同一サービス。
日本らしい、といえばそこまでですが。

その土地の歴史に興味も持たず、
その土地の人とのふれあいもせず、
美味しい所、綺麗な所だけを見せる…。

欺瞞ですね。

私は仕事以外に年に一回東京へ行きます。
そして渋谷や新宿、池袋、大手町、品川と
いったターミナルの裏道を必ず覗きに
行くのです。

そこに東京の本当の姿が隠されていますから。

人は旅に対して真摯であるべき。
それが旅のマナー。
けっして旅行客はお客様ではないのです。
観光客も当然、と求めてはいけない。
偶然に感謝せねばならない。

本当は旅はしないのが一番。
自分の地元で満足するのが一番ですから。

でも人は満足できない動物。

楽しかった、という一種の麻薬が
心を突き動かす。
だからまた旅に行きたくなるのでしょう。


最後にポニョの原風景、鞆の浦について。

風景が壊される、という事で国の認可、おりませんでしたね。
素直にいい判決だったと思います。

多分、沢山の人が
観光地化することには反対だったと思います。
なぜなら、未来がないから。
観光地化するには覚悟が必要なんです。

将来のその町の未来を
見つめるだけのビジョンを
賛成派は覚悟していたのでしょうか？
過去や未来の住民のプラスになる行動だったのか。
難しいところではありますが、
考えが足りなかったように感じられます。



観光する、旅行する、とは、
その土地を全て知ろうと考えること。

私はそう思っています。
だから、町の姿はあまり変えないで欲しい。
歴史のある街なら、なおさら。

そこに魅力を感じる人は
たくさんいるのだからね。

勝手なお願いでした。



さて、今週も頑張ります。