忘るるなかれ！

ただ今洪水の恐怖に怯えながらデジ書いてます。

新潟で一番怖い災害、といったら何だと思います？

過去10年間で中越、中越沖と2回も起こった地震が
一番やばい、と思われがちですが、

洪水が何よりも恐ろしい災害です。

地震は30～40年に一回だけれど、
洪水はひどい雨が降れば起こりうる事ですから。


実は新潟は一級河川の数がとび抜けて多い土地です。

他の土地は夏の旱魃に備えるため
ため池を盛んに造成したりしますが、
新潟はその必要は一部地域を除いてそれほど重要視
されません。

むしろ湿地帯を切り開いて今の新潟平野を作り上げた
ぐらいですから、むしろ邪魔あつかいされます。

特に阿賀野川、信濃川流域の住民は
昔の郷土史を叩き込まれている分、
川には親しみとそれに反する恐怖を抱きます。

今の新潟市の殆どが湿地帯だった、という事を
考えれば新潟の人間にとって
川は切っても切れない関係にあります。

過去において幾度となく氾濫を起こす河川を
新潟県人はたくさんの犠牲を払い、
何とかここまで治水してきました。

だから新潟県、特に大河に住んでいる住民は
その恐怖を骨身にしみて分かってるんですね。

余談ですが、他の他府県行政は親水事業とか言って
川沿いに公園を整備したりする事、結構ありますよね。

夏の思い出として水辺で遊ぶ人は多いようですが、
なぜか新潟市内ではあんまりキャンプや川遊びを
する人は見かけません。

理由はたくさんありますが、

海が近い事、
河川が大きすぎて川遊びではなくなってしまう事、
そして川に対する恐怖の感情がまだ染み付いており、
心理的に川遊びに若干影響している事

が川遊びを阻害してきた理由として考えられます。
（あくまで個人の推測）

つまり大河流域の住人にとって
川は手がつけられない存在であり、
治水するべき存在、として
今も存在し続けているのです。

一級河川が多いという事は、それだけ
暴れ川が存在している、という意味ですからね。


今回の雨ですが、
昼1時の段階でようやく晴れ間がのぞき始め、
雨による被害の危険性が薄らいできました。

しかしながら
川の氾濫による恐怖はまだ2～3日は続くと
考えてもいいでしょう。

よくクローズアップされる
三条の五十嵐川ですが、
ここは流れが急である事に加え、福島県境付近から
流入する支流の川も多く、
さらに大河、信濃川に近い事もあり、
よく氾濫します。

ただ私が感心した点はいくつもあります。

まだ収まってはいないので何ともいえない部分は
ありますが、
これだけの規模の水害なのに死者がそれほど
出ていないのはすごい事ですよ。

それは県人が危機意識を普段から持っている証拠であり、
川という存在、ひいては自然に対する大いなる
啓蒙が被害を食い止めてくれた、と思ってます。

そう、水害に対して一番大事なのは逃げる事。
そして行政が危機を伝える事。
今回、マスコミは全くの後手でした。

マスコミが新潟水害をクローズアップしたのは
29日夜以降でしたが、
現地ではすでに28日夕方ごろより危険を認識していた人は
多かったように思われます。

もしも危機が迫ってから批難していた人が
多かったとしたら…。

ぞっとします。


忘るるなかれ！
自分の住んでいる土地で一番危険なものは何なのか？

忘るるなかれ！
自分の身を守るのは自分でしかない、という事を。

忘るるなかれ！
メディアや政府は災害が起こってからしか対応してくれない
という事実を。


今回は新潟県人の危機意識に脱帽です。



では、また。