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この感動はプライスレス

2006年05月05日 23:40

この前、パソコンに保存してあるビートルズの曲をランダムで掛けていたら、「Money~That'swhat I want~」がやたらと高い頻度で流れてきました。
この曲は、ビートルズオリジナルではありませんが、原曲よりもビートルズのカバーバージョンの方が有名だと思います。

この曲、タイトルと副題だけで曲の内容全てを表せているところが、なによりもすごいですよね。

ある意味、今の私にとてもあった曲なので、何かの嫌がらせかと思ってしまいました。

後半のサビの部分の歌詞で、「金をくれ。たくさん金をくれ。俺は自由になりたいんだよ!」という部分があるんですが、
ジョンレノンの鬼気迫るボーカルが曲の盛り上がりと重なって、ものすごい説得力を増しています。
こっちまで、「ああ、本当だ。お金さえあれば、私も仕事しようと頑張らなくてもすむし、自由になれるのに!」とか感情移入してしまって、聞く度に妙に疲れます。

そんな風にお金の大切さを実感しつつ、毎日暮らしているわけですが、
せっかくの連休ぐらい、働けない自分を責めながら家に引きこもるのをやめたくなりました。

なので、5月1日から4日まで、気晴らしに毎日のように狂言を観に行っていました。
同じ日の昼公演と夜公演を両方観に行くぐらいの熱心さでした。

ここで誤解しないでほしいんですが、そこまで狂言に通い詰めたからといって、私は決して伝統芸能に興味があるような風流な人間なわけではありません。

この狂言、何と言っても無料なんです。

私、伝統芸能は全然好きじゃありませんが、無料という言葉は大好きです。

最近好きな曲は「Money」です。

なので、ほぼ全公演を観に行ってしまい、20ぐらいある演目を全て制覇してしまいました。
最初の10分ぐらいを見逃したりはしましたが、同じ演目を二度やったりしてくれたので、全部見ることができたのです。

当たり前ですが、自分が出演したわけではないし、要するにただ見ていただけなんですが、何故だか妙に達成感があります。

にも拘らず、四日間狂言を見続けたわりには、ほとんど訳が分からなかった。

しかし、訳分からないのに四日間も見続けた自分がむしろ誇らしいです。

そして、公演自体が訳分からないと、気になるのは他の観客の様子です。

他の人も私同様理解していないのか、それとも、他の人はちゃんと理解しているのか。

そうやって見ていると案外面白い

その時の客層によって反応が違うんですよね。
ある公演では、全員合わせたようなタイミング拍手や笑い声がどっと起こったり、
別の公演では、逆に見所っぽいところでも皆リアクションが薄かったり。

あと、どうでもいいことも気になった。

座席同士の間隔が狭いにも拘らず、隣のおじさんが、ものすごく大股を広げて椅子に座っているので、「邪魔だなぁ。」とかね。

その足の広げ方が半端じゃなくて、
あの人、180度開脚ぐらいしていたんじゃないだろうか。
年齢を感じさせないほど柔軟性に富んだ股関節なんですよ。

きっと、彼の前世バレーリーナです。

あと、狂言は野外ステージで行われていたので、昼公演と夜公演の気温差が非常に気になりました。

夜寒いのはともかく、昼は、日陰もない場所で日光に曝されているので、5月にも拘らず、日差しが焼け付くようでした。

トースターの中でじりじりと焼かれているようで、全身の皮膚が痛いぐらいでした。
この公演が終わる頃には、私はもちろん、この会場にいる全員が、こんがりと焼けたローストチキンになっているんじゃないかと思ったほどです。

まぁ、私は人間なので、いくらローストされたところでチキンにはならないと思うんですが、
少なくとも、ローストヒューマンにはなるんじゃないかと思いました。

だんだん頭もボーっとしてくるし、舞台の内容がどんどん理解できなくなってきます。
それでも頑張って内容を理解しようと耳をそばだてていると、今度は、周囲の余計な雑音まで、やたらと耳に入ってきます。

小さい子供が発する、「ママ~、おしっこ。」という声。

この時、私の脳みそは、太陽で熱せられており、ステーキで言うならウェルダンまではいかなくても、ミディアムぐらいにはなっていました。
そのため、その子供を暖かい視線で見守る余裕など、とてもありません。

正直言って、「うるさいなぁ。」と思いました。

もっと正直に言うなら、その子供をどこか木の枝にでも吊るして、ローストヒューマンになる速度を早めてやろうかと思いました。

もちろん、物理的にも精神的にも頭が冷えた今では、そんな恐ろしいことは考えていませんよ。

しかし、子供っていうのも案外面白いんですよね。

夜公演では、暑さも無かったので、少し余裕を持って子供を見ることができたんですが、その様子にとても感心させられました。

子供って、とても素直な視点で楽しんでいるんです。
私は、狂言を見ていると、つい聞き取れない台詞が気になったり、物語の細かい流れについて考えてしまうんですが、子供は、そういう細かいことは気にしない。

それでいて、登場人物の動きや口調から笑いどころはきちんと察しているようで、正しいタイミングで笑うのはもちろん、その部分の台詞を面白がって復唱したりしている。

あと、駄洒落で理解できない部分は、親に質問したりする探究心も見せたり。

私みたいに、分からないところにばかりこだわらず、分かる部分だけを楽しもうとしているんですよね。
そもそも狂言って、庶民の娯楽なんだから、そうやって深く考えずに笑うものなんだよなぁ。ってこっちが、教えられたような気分になりました。

私の後ろに座っていた男の子が特に賢そうで、大人よりも爆笑していました。

しかも、公演後にその子が言った感想が、
「楽しかったなぁ。お金かからないのがいな。」

私と全く同じ感想だったのにびっくり。
どちらかというと、私の感想が幼すぎるんだろうか。

そして、後ろを振り返って、その子が予想以上に小さかったのにさらにびっくりしました。多分、まだ幼稚園ぐらいでした。

「今からこんなに賢かったら、将来有望だなぁ。」と思いました。

少なくとも、将来きちんとした職業に就けることでしょう。

間違っても、6年も大学に通った挙句、就職もできず、
無料だからと言う理由だけで、興味も無い狂言をぶらりと見に来ているような、そんな駄目な大人にはならないだろうと思いました。
何かどこかで聞いたことある人物像ですが。

いや、そんな大人に「ならないだろう」ではなく、決してなってはいけないのです!

ゆめゆめなってくーれーるーなーよー。(ちょっと狂言風)

見知らぬ少年に心の中でひたすら熱くエールを送ってしまいました。
こんなに熱い自分も、他人の幸せを願う自分も初めて見た気がします。

新たな自分の再発見です。


……ていうか私、狂言観に行ったはずなのに、何してるんだろう。




むくろじゅさん
的確なキャッチコピーをありがとう(笑)
まさに、私が目指しているのはそんな感じです。
ヒロシをちょっと意識してます(笑)
ログでも紹介していただいて、びっくりしました。
ちょっと褒めすぎな気がするので何か照れます。


ターボさん
数えきれるのかい!(笑)
ターボさんのログ、いつも楽しく読んでますよ。
お兄さんについてのログでは、考えさせられました
私は、すぐに欝だとか死にたいだとか言ってしまうけど、それって良くないなって。


zekeさん
汚名挽回」は定番ですよね。
今回の勘違いはちょっと分かりにくいかと思ったんですが、分かってもらえたみたいで良かったです。


かりえもんさん
ありがとう。
いつも足跡を残してくれている方は、どういう気持ちで読んでくれているのか気になっていたので、楽しみにしていると言ってもらえて、とても嬉しいです。
せっかく見守ってくれてるのに、全然成長しなくてごめんなさい(笑)


はるさん
そりゃあいつものことだけど、予想より長くなりそうだったので、一応謝ったんですよ~。
でも、改めてつっこまれると、それもそうかと何か納得しました(笑)
長い分読みやすいようにはしているつもりなので、そう言われるとホッとします。説得力はどうだろう(笑)

このデジログへのコメント

  • はー 2006年05月06日 00:16

    無料・・ええ響きや~!(笑)
    そういう風に他の人観察してるとおもろいよね~♪(私もよくします)

  • むくろじゅ 2006年05月06日 02:09

    毎回笑わせていただいております。今日もウプププ、、コンスタントに面白いのが凄い。才能ですね。

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