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ハリーとトント

2009年05月31日 14:39

ハリーとトント

とうとうDVDが発売されました。
 1974年のアメリカ映画です。同年のアカデミー賞主演男優賞をアート・カーニーが獲っています。
 ニューヨークで古いアパートに老猫トントと住むハリーアート・カーニー)ですが、街にはいきつけの店もあれば、いつもの公園のベンチでおしゃべりをする仲間もいます。何より死んだ妻アニーと長く住んだ街なのですが、区画整理のためにアパートの取り壊しが計画され、強制的に立ち退きを迫られます。ハリーとトントは長男の家に転がり込むのですが、長男の妻(つまり「嫁」というわけですか?)との間がしっくりこず、ハリーは娘が住むシカゴに行くことにします。長男と空港で別れてから、小荷物としてトントが入ったかごを係官に見せようとしないハリー飛行機に乗ることができず、長距離バスに乗ることに・・・。ところが、そのバスでも・・。
 というわけで、ロード・ムービーがはじまります。いんちき栄養商品を売る男の車にヒッチハイクで乗せてもらったり、高級娼婦スポーツカーに乗せてもらって・・・。
 カジノでは酔っ払って、店頭で小便をしているところを警察につかまり留置場に入れられ、同檻のインディアンに肩の治療をしてもらったり・・。
 中古の車を買って旅を続けたら、コロラドコミュニティに入りたいという若い(15歳?16歳)の女性を同乗させることになって・・。
 いよいよシカゴについたのですが、やはり会うと喧嘩になる娘と父親、彼はロスアンゼルスの二男の所に行くこと・・・。
 なんだかんだあって、海岸の見えるところに居を構えるのですが、トントはとうとう死んでしまいます。
 ラストは、ぼんやり座っているところに猫を世話するユダヤ女性が言い寄ってくるシーンなのですが、彼はその女性の話を聞き流しつつ、トントに似た猫を追って海岸に走りだすのです。
 人間の老いや孤独を深く考えさせてくれる名作です。

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