「イスラーム祈りの声　～　コーラン朗誦と神秘主義の旋回舞踊」

メヴレヴィー教団をご存知でしょうか。イスラム神秘主義のひとつで、トルコで共和国革命時に弾圧されたものの、現在はふたたび、ひとつには観光目的もあって記念日などにその旋回舞踊を行う宗教です。
　かずかずの映画、紀行ドキュメンタリー、ＣＭなどでながいスカートみないなのを着た男性達がくるくると回り続けるのを見たことがあるかも知れません。
　そのバックの音楽であるトルコの音楽を録画したものがこのＤＶＤです。2001年東京サマーフィエスティバルで、浜離宮朝日ホールと東京ジャーミィ文化センターで行われたものです。
　まず歌い手としてトルコで最もすぐれた歌い手の一人と言われたキャーニ・カラジャがコーランを朗誦します。このカラジャさん、幼時に失明したらしく、耳からコーランをすべて記憶したそうです。
　このカラジャの素晴らしい朗誦のあとにアンサンブルがはじまります。トルコの楽器である、ネイ（たて笛）、ケメンチェ（小型の弓楽器）、ベンディル（ほとんどタンバリンです）、ウード（琵琶みたいな楽器）、カーヌーン（膝乗り弦楽器）、クデュム（太鼓）でのアンサンブルですが、カラジャはクデュムも敲きます。
　そして、もっと人数がいたらよかったのにとは思うのですが、一人の踊り手が旋回舞踊を行います。ひたすらまわります。まわり続けて宇宙と一体となるようです。
　日常と離れた2時間が過ぎていきます。
　とても面白いＤＶＤでしたので、ご報告しました。