恐怖の関西おばちゃん

僕は関西出身だけど、もう人生の半分は東京で過ごしています。

関西に住んでいる時は、日常の普通の出来事だったのが、今や帰る度に驚く事があります。

そんな話しです。




久々に関西の地元に帰った僕は
余りに町並みが変わっていてびっくりしました。


ちょっと探索しようと、
あちらこちら歩き廻ってクタクタになって、喉が渇いたので、飲み物を買いにコンビニに入りました。




コーラを持ってレジに行くと…



混む時間でもないのに何人かがレジ待ちをしていました。



とろいレジの男の子だなぁと、並びましたが…



いっこうに進みません。



どうなってるんだぁ？


とレジの先頭を見ると…


そこには…



まさに絵に書いたような関西のおばちゃんが…



ヒョウ柄のスパッツを履いて…
VUITTONにそっくりの柄の鞄を持って…
何やら、気の弱そうな男の子に威圧的に話しかけていました。




ええやないのぉ～
ケチ臭いなぁ
あんたぁ
キン○マ付いてんの～



コンビニでキン○マ？
って…なんだぁ？



耳をかた向けました。



あんたなぁ
おばちゃんの事なめたら痛いめ合うで～


こんな店一ヶ月で潰れるでぇ！




ありゃ～
なんかこの気弱な男の子

なんかミスして怒られてるんやぁ～



直ぐに周りにいい振り回したるでぇ
どうすんねんなぁ～



………無理です………
できません…………



か弱い言葉で男の子が応戦していた…


後ろに並んでる
若いにぃちゃんが

いい加減シビレを切らして…




もう ええやんけぇ～
負けたれやぁ～





……ま、負ける？





なんだぁ？




あんたなぁ
半分にしてってゆうてるんちゃうやろ～

端数切ってってゆうてるだけやろ～
ほんまにケチ臭いなぁ



ハァ？



コンビニで値切り？



後ろのにぃちゃんやら
皆の視線を感じたのか…




……はい……
わかりました………
じゃあ端数いいです……



おいおい！
コンビニでまけるかぁ



そうゃん、最初からそうやってまけてくれたらええねんやん！

兄ちゃんおおきになぁ～ ちゃんとこの店の宣伝しとくさかいな！




おいおい
こんなオバハンばっかり来たら大変やろ～

と思いつつ…




ヒョウ柄のスパッツを着たおばちゃんは…

店の男の子に投げキッスをして嬉しそうに帰って行きました。



僕のレジの番がきた時…




…すんません
ちょっと待って下さい…


と言って…



ズボンのポケットから財布を出して…


おそらく…
あのおばちゃんに値切られたであろう…
端数のお金を…


レジに…


こっそり…


自腹を切って
戻している、男の子…







そうやって
強く
たくましく
なっていくんだぞ！



心の中で応援せずには
いられませんでした……





ファイト！