ちょっと危険？ (4)

ケーキを買おうと思い、お店に入った。
「さくら味」と書いてある、ワッフルがある。
ピンク色のクリームが入っている。

さくら味？？？
どんな味だろう。。。

食べたくなったので、買ってみた。

うーん、どうなんだ、この味は。。。
生クリームが塩味になったような感じ。

柏餅を包んでいる葉っぱを刻んで、生クリームに混ぜたような味だ。

あまり、おいしいとは、思わなかった。


(昨日の続き)
友達が国際結婚をすることになり、悩みなどを話したいと言うので、新宿歌舞伎町2丁目の会員制のバーに呼び出された。
そこの、バーには、ピアノがあり、弾くことになってしまった


この人たちに、何を弾いたら、喜ばれるか？

今、いるのは、
ママ、バイトのチャラ男君、サラリーマン、友達、ママの友達の派手な50代のオバサマ。。。

クラシック音楽の興味は、ゼロのような人たちだ。

最近、弾いている、エヴァンゲリオンの「残酷な天使のテーゼ」を弾く。
YouTubeでは、Es durで弾いている人が多い。
だから、最初は、Es durで弾く。

で、次に、E durで弾く。
俺は、E durの方が、ピアノで弾く時には、良いと思う。

次に、シューマンの謝肉祭の最後の2曲を弾く。
良いピアノなので、調律をしたら、もっと良い音がでるのに、もったいないと思う。

目の前で、グランドピアノを弾いているのを見るのは、全員、初めてらしく、喜んでいた。

喜んでくれたようなので、良かった。



ピアノを弾き終わって、元の席に戻る。

また、ママと派手なオバサマが中心になって、話しが回っていく。

ママが全員に注文を聞いて、お酒を取りに行った。

話が中断した。

そうしたら、
隣のオバサマに言われた。
「あなた、Ｍでしょう。私、趣味が女王様なの。ハードなことはしないけど。だから、Ｍの人は、わかるのよ」

たぶん、俺は色が白くて、背が高くないから、そう思ったのだろう。

残念ながら、実際に○Ｍをしたいとは、思わない。
基本的に、衛生的に汚いことは、嫌いだ。

しかし、オバサマは、まだ、食いついてくる。
「あなた、女性のブーツ姿とか、好きじゃない？Ｍの人は多いのよね。」

俺の周りにも、女性のブーツ姿が好きな人は多い。
でも、それは、
女性が美しく見えるから、という人が多い。

女性を美しいと思う、別にそれは、Ｍではないだろう、と思う。

ピンヒールとか、脚がきれいに見えるブーツを履いている女性を見ると、きれいだなあ、と思う。

でも、それがＭなのか？


初めて会った人に、
「私は、趣味で女王様をしているの」
「あなたＭでしょう」
と言える場所。

これは、やはり普通とは違う場所だ。

一般の世界では、できないことをする場所。
普通とは趣味趣向が違い、少数派の人たちが集まる場所。

そういうところなのかもしれない。


黒人女性と結婚しようとしている友達は、すごく少数派だと思う。
だから、友達がここに来たら、何か、安心したのかもしれない。
友達にとって、居心地が良いのかもしれない。

ここでは、何を言っても、驚かれない。


10時30分を過ぎたので、
友達と俺は、帰ろうと思った。

席を立つと、ママが見送りにドアまで来てくれた。

「また来てね」
と言われ、ドアが閉まる。

なんか、現実の世界に戻ってきた感じ。。。
エレベーターに歩いていくと、ホストクラブから大音量の音楽と、バカ笑いが聞こえる。

エレベーターの扉が開くと、すごいメークをした女性が2人、降りてきた。
オセロのようだ。
黒いブーツ。白いストッキング、黒いコート、白いワンピース、真っ白なメーク。黒と白しかない…。

しかも、2人も…。
ホストクラブに吸い込まれるように入っていく。
そこのホストクラブは、すごく暗い。

真っ暗な中に、電飾のような青い電球がポツポツ光っているのが見える。
ブラックホールみたいに思える。

やっぱり、まだ、非日常なのか？？？

エレベーターに乗り、1階に下りる。
ビルの外に出ると、寒い。


今、この瞬間から、初めて会った人に、
「私は、趣味で女王様をしているの」
「あなたＭでしょう」
と言っては、いけなくなるのかもしれない、と思った。



「どんな人でも、受け入れてくれる場所、それが歌舞伎町だ。」

なんか、この言葉の意味がわかったような気がした。。。