ちょっと危険？　(2)

今日は、花粉の量が非常に多いらしい。
鼻水がたくさん出る。

花粉対策メガネとマスクをしていると、なんか、不審者に見えるらしい。
コンビニに入っても、メガネとマスクをしていると、店員が全員こっちを見る。
棚の整理をしている人まで、こっちを見る。

確かに、振り込め詐欺の犯人の写真みたいだ。
やっぱりまずいか…。



(昨日の続き)
友達が新宿の歌舞伎町で飲もうと、誘われた。
場所は、歌舞伎町2丁目の会員制のバー。


会員制のバーのインターホンを押した。
「はい。」
「●●に呼ばれた○○です。」
友達の名前と俺の名前を言った。

ガチャと鍵を開けてくれ、
扉が開いた。

薄暗い入口に、Tシャツとジーンズの男が立っている。
ニコニコして感じはいいが、渋谷のクラブでナンパしている感じの、チャラ男だ。

「靴は、そこで脱いでください」
と言われた。

靴は4足あった。

靴を脱ぎ、入るとすぐに、レジがある。
友達がでてきた。

「おう、○○君、ひさしぶり。元気だった？」
と言われた。

「久し振り。結婚するんだって。おめでとう」
と俺は言った。

友達は、そのまま、トイレに入った。

こいつは、昔から、こんな話し方だ。
知っている人には、「君」をつけて呼ぶ。
話すときは、「僕さあ」を何回も言う。

カウンターがある部屋から、ママが出てきて、レジの前で説明を受ける。
「フリータイム・フリードリンクで1万円。紹介されているから、入会金は無料でいいわ。食事はないけど、部屋にあるお菓子は、何を食べてもいいから」

「あと、お客さん同士では、個人的なことは、訊かないようにね。仕事とか、名前、メールアドレスとか。お互い仲良くなって、アドレス交換をするぐらいならいいけど」


ここは、歌舞伎町2丁目。
いろんな人がくるから、個人的なことを聞かないのは当たり前なんだろう。

どんな人でも、受け入れてくれる場所、それが歌舞伎町だ、と言っていた人がいた。


中学生のとき、父親が東大病院の精神科の先生だった同級生がいた。
お父さんと、歌舞伎町を歩いていたら、暴力団の方や、風俗嬢が、
「○○先生、こんにちは」
と頭を下げるのをみて、

父親を尊敬した、と言っていた。
麻薬中毒患者、欝病などの治療をしていたそうだ。

やくざや風俗嬢のような人たちにも、熱心に診療する先生は少ないので、喜ばれていたらしい。

裏の世界に生きる人は、大変だと思う。



こういうところに来るのは、当然、俺は初めてだ。

お金を払い、部屋に入る。部屋は狭い。
グランドピアノが置いてある。
グランドピアノは、先が細くなっている。

鍵盤から、きれいな曲線を描き、先端に行く。

その曲線にそって、カウンターが作られている。
ピアノの大きさからして、ヤマハＣ５だ。かなり、良いピアノ。

カウンターには、イスが、5個。
ピアノの上には、お菓子がある。

ボッタクリバーなんてものではなく、
ママとバイトのチャラ男君の2人だけのバー。

値段も良心的だ。

しかし、銀座のバーではない。
渋谷のバーではない。

ここは、歌舞伎町。。。

カウンターのある部屋の奥に、狭い個室が3つある。
さらに、隣の部屋は、ソファが置いてあり、少し広い。

お客さんは、他に2人、個室にいて、お酒を飲んでいた。



友達とカウンターに座り、話す。
結婚までの大変さを、話していた。

国際結婚は難しい問題がいっぱいある。
結婚相手の両親は、今は働いているが、退職になったら、年金などない。
兄弟は、6人いるそうだが、全員働いているが、彼女が仕送りをしているそうだ。

真面目な人たちなのだと思う。
相手のご両親も、写真で見る限り良い笑顔だ。良い人なのだと思う。

でも、将来、友達がすべて面倒をみないといけなくなったときに、本当に、できるか？

自分にだって、両親がいるのだ。
さらに、彼女の兄弟まで、面倒みられるか？5人もいる。

アメリカの問題であって、友達が何かできることではない。
アメリカでの黒人の年金問題、黒人の低賃金問題、そんなのに思いっきり、ぶち当たったらしい。

友達の両親が反対するのも、理解できる。

難しい問題だ。。。
そして、これからが、大変だと思う。。。



俺達のグラスから、飲み物がなくなると、すぐに、ママかチャラ男君が来て、注文を訊いてくる。

こんなので、採算が合うのかと、俺の方が心配になる。


しばらくすると、
個室で飲んでいたカップルが個室から出てきて、カウンターのある部屋の隣の少し広い、ソファのある部屋で、

ここは、歌舞伎町だ。。。

女性は浴衣みたいな、楽な着物に着替えた。
男性が、女性を縛り始めた。

カップルは、楽しそうに、話しながら…。


(長くなるので、続きは次回書きます。)