- 名前
- ヴォーゲル
- 性別
- ♂
- 年齢
- 74歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- もう海外在住29年、定年もそろそろ始まり、人生のソフト・ランディング、心に浮かぶこと...
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
WDR Big Band with Maceo Parker
2009年02月09日 01:58
WDR Big Band with Maceo Parker
Tribute to Ray Charles
2009年2月3日 ドイツWDRテレビ局、隔週番組 Jazzline 夜12:10-1:00
Maceo Parker & WDR Big Band Cologne
Line-up:
Maceo Parker (vocals, altosax)
Michael Abene (Leader, arrangements);
Karolina Strassmayer
Heiner Wiberny (altosax);
Paul Heller,
Olivier Peters (tenorsax);
Jens Neufang (baritonesax);
Ruediger Baldauf,
Wim Both,
Rob Bruynen,
Andy Haderer,
John Marshall (trumpet);
Dave Horler
Bernt Laukamp
Ludwig Nuss (trombone)
Mattis Cederberg (bass trombone)
Paul Shigihara (guitar)
Frank Chastenier (piano)
前日にオランダの代表的なビッグバンド、JOC(Jazz Orchestra of the Concertgebouw)の定例演奏会を聴いてこの日ドイツのケルンに本拠を置くドイツの放送局WDRのテレビ放送でドイツの代表的なビッグバンドの演奏を観た。 経験まだ12年ほどの30代を中心としたオランダのバンドに比べると隣国のビッグバンドは伝統があり、60代以上のメンバーも混ざる重厚かつ正確無比のバンドだ。 英国、ベルギー、フランス、ドイツ、オランダのテレビガイドを眺めていても定期的にジャズのコンサート、ジャズ番組を放送する局はドイツのここぐらいだ。 10年ほど前まではベルギーやオランダでも不定期的ではあれなんらかのコンサートが現れることはあったが近年はめっきりそれが減った、というより消えた。 そういう点でドイツのこの局がほぼ2週間に一度1時間から1時間半の番組を放映するのはこのあたりのヨーロッパには貴重なジャズライブの情報源となっている。 FMやインターネットでは情報源がかなりあることはいうまでもなく、FM放送がネットラジオとも提携して聴き損ねた放送を蘇って再度聴けるようなことをしているから便利でもあり、また、それを自分のハードディスクに保存できるから都合がいいもののやはり画像、と良質の音がテレビで観られるのはこたえられない。
この番組、Jazzline はもう20年以上見ている。 さまざまな一流バンド、ジャズメンが登場して5年ほど前まで殆どコンサートに出かけることのなかった私には当時は甚だ有益なもので、特に印象的だったのは80年代にアート・ブレーキーが若手を従えて出ていたりヨーロッパの代表的バンドだったケニー・クラーク、フランシー・ボランの双頭ビッグバンドの軌跡をドキュメントにしたものが放映されたような記憶がある。
この日はファンク、ブルースを得意とするアルトサックスのマセオ・パーカーが「レイ・チャールズを偲んで」と題してちなんだ曲を吹いたり歌ったりという趣向である。 そしてこれは去年のドイツで開かれたいくつかあるジャズフェスティバルのうちの一つの録画だったようだ。 尚、オランダの相当ビッグバンドJOCは2005年に同じく Tribute to Ray Charles / BMCD 489 を出しており両バンドの特徴を知るのには参考になる。
マセオ・パーカーは何回かテレビの演奏で見ているが大抵モダンな若向きファンクでありオランダの女性ファンクアルトのキャンディー・ダルファーと組んで演奏していたものを何年か前に観た記憶があるが踊る音楽であればそのファンキーさでノリのいい楽しいものだがじっくり聴くとなると何回も、というと少々厚みに欠けるという風に感じていた。 しかし、今回のビッグバンド構成であればテンポのとても速いものもあるけれどバンドのアンサンブルの厚みがよく指の動くパーカーのアルトと合って誠に好ましいものと聞こえるからやはりバックにビッグバンドがつく贅沢は本人も演奏していてたまらないもののように見える。
ソロにしてもファンクバンドでは大体に短く、本命のアルトに寄り添うのはギターかピアノぐらいなものでトランペットやトロンボーンなどという楽器はあまり登場しないようだ。 その点、ここでは力のこもったホーン陣にギター、フェンダーローズピアノがそれぞれ熱のこもった長いソロを各所で聴かせ、本放送では適切な音響技術を駆使して分離のいい心地よい響きを再生していた。 このプログラムの趣向はレイチャールズのナンバーを中心として構成してあるからそのブルージーな曲目のギターは、日系であることは違いない50代と見えるポール・シギハラが流麗ないくつものソロを間に挟む一方、なつかしい60年代、70年代の音、フェンダーローズエレキピアノを弾くチェステ二アもこれまた50代からもう70に近いかもしれないと見えるのだが素晴らしいその調べを味のある指捌で披露し皆から喝采をあびた。
パワフルなホーンセクションのトランペットで取りまとめとソロを司っていたのは John Marshall で、この人は去年JOCのゲストとしてアムステルダムでも味のあるソロを聴かせた。
パーカーはレイ・チャールズばりに黒眼鏡をかけて時計の振り子のように体をゆらせるチャールズシェイクともいえる動きをみせて味のある咽喉でいくつもの曲を演奏の合間に聴かせた。 もしくは歌の合間に味のあるアルトを聴かせたというべきか。 Busted, I’ve got a woman, You are my sunshine, You don’t know me, Mary Ann, Georgia on my mind などおなじみの選曲だが編曲が良く、中でも You are my sunshine はブルース仕立てにしてありそこで歌うパーカーの軽い咽喉のコブシによく合っていたように思う。
このデジログへのコメント
コメントを書く