母の日ってどうしてあるの?

私は今年も白いカーネーションをかった　去年もその前も・・・

私の母親は死んだのかって?生きてますよ　多分　今はどこにいる

かも知らないけれどね　

　私は　母が大嫌いだった　母もそんな私が大嫌いだった　私たち

は親子ではなく　常に女同士だった　だから　いがみ合い　まった

く　お互いを尊重しあうこともなく　いたわりあうこともなく

ある日突然　徹底的に別離になった発言をされた　あなたはうちに

関係ないから　

　私家を出た　一人になった　何も悲しくはなかった　家にいても

一人ぼっちだったから　その年の母の日から私の買うカーネーショ

ンの色は白くなった　赤い花を買って渡したことなど一度もなかっ

た　だからずっと買わなくてもよかったんだけど　私の中で母は死

んだ　だから花屋さんに言ったとき　たくさんあるピンクや赤の花

にはまったく興味もなく　迷わず　白の花をかった　

店の店員さんに　「お母さん　なくなられたんですか」ってきかれ

た　私は迷わず笑顔で答えた　生きてますよって　そんな私に店員

さんは少し困った顔をしたが　私はこの色でいいんですよってまた

笑顔で返した

　それから毎年白を買うたびに　お母さん喜びますよっていわれる

が　それは仏壇かお墓にでも持っていくのかと　みんな思っていう

のだろうが　当然　仏壇もなければ　墓もない　

　私はいつもその白さに心を洗われている　生きているのに赤では

なく白い花を買っていると知ったら　母親はなんと思うのだろうか

私も何でわざわざ白を買うのか　きっといつの日か赤を買いたいと

思う私がいるのだろうか　母親に優しくしてもらいたかった　母に

愛されたかったという気持ちがまだあるのだろうか　

　私は女だからいずれ母という立場になるかも知れない　そのとき

まで私はきっと白い花を買い続けるだろう　赤い花をもらえる日ま

で　私が母を許せる日まで

　今年の母の日に花を贈る皆さん　どうか赤い花をかってください

決して私のように生きてるのに白い花は買わないで　私は赤をかっ

ていく人がうらやましい　というか　母の日なんてなければいいの

にって思う　毎年　孤独になった私を改めて認識する日に過ぎない

から　
　　　　　　　



　　私もあげたかったな　赤いお花　花をもらって喜ぶ母の顔

　一度でいいからみたかったな　私にはもうかなわないことだけど