それって常識？　(3)

今日はずいぶん、暖かった。


(さらに昨日の続き)
M君は小学校・中学校の友達。
個性的な人だ。


夏に向かって、薄着になっていく。
体は、鍛えてある方がカッコいい。

お腹がでていたりすると、恥ずかしい。
腹筋を鍛えないと。
腹筋は必要。

自信をもって水着になれるようにしよう。

でも、ビリーズブートキャンプも、スポーツクラブも必要ない。

M君と飲めば、それで腹筋は、OKだ。
笑いまくって、腹筋が鍛えられる。



地域によって、いろいろ違うものがある。
初めて、関西に行ったときに、うどんのつゆが黒くないのには、驚いた。

東京では、ラーメンと言ったら、醤油だ。
九州に行ったとき、ラーメンと言ったら、豚骨だということに驚いた。
そして、「替え玉」が普通にあるのも驚いた。

東京では、「替え玉」があるラーメン屋は少ない。


昨日少しだけ書いた、バイクレーサーやっている、Y君。
中学を卒業して、工業高校に行き、自動車修理工場で働きながら、バイクレーサーを目指していた。

Y君は、とにかく、絶対に裏切らない友達だった。
一番、信頼できた友達。


M君のように、不良にケンカ売って、
「こいつが言いました」
とか指さして、ダッシュするような奴ではない。


俺は、小学校3年生で父親の転勤のために、転校し、M君やY君に会った。
転入生だったから、いろいろあるわけで、
いじめみたいなものもあった。


クラスの人たちに、いろいろ文句を言われても、
Y君だけは、何も言わなかった。
もともと、無口な奴だったが。

最後にボソッと、俺の近くで、
「お前は悪くない」
と言ってくれるようなやつだった。


M君、Y君、他の人たちと一緒に、6人で、神宮球場へプロ野球を見に行ったことがあった。
M君はヤクルトファンだ。

野球が終わって帰る時に、お腹がすいたので、ラーメン屋に入った。

メニューを見て、
M君が必死に一番安いものをさがしていた。
育毛剤のためだ。
小学生なのに…。オヤジくさい小学生。


1人が、「俺、チャーシューメンにする」
と言ったので、
俺も他の人もチャーシューメンにした。

でも、M君だけ、まだメニューを見ている。

M君は、一番安いものを見つけた。
「俺、替え玉。」

しかし、小学生の俺達は、替え玉を誰も知らなかった。

チャーシューメンが次々と運ばれてくる。
M君は、替え玉を待っている。

なかなかこない。

俺達は食べ始めた。
野球が終わった後の、球場の近くのラーメン屋。
けっこう混んでいる。

次々とほかのテーブルにもラーメンが運ばれてくるが、M君のところにはこない。

俺達が食べ終わろうとすると、
替え玉がきた。

ラーメン屋の店主のおじさんは、俺達が食べ終わりそうなのを、わざわざ見計らって、作ってくれたのだ。

でも、俺達は、替え玉を知らない。

夜まで、野球を見ていたので、お腹がすいていたから、全員、つゆまで飲んでしまった。


M君は、麺だけが、盛られた器を見て、驚いている。
しかし、店が混んできたので、俺達は、迷惑だと思い、会計して、出てしまった。

M君は、満員の店の中で、他の客の視線を感じながら、替え玉の麺だけを一人で食べた。

俺達は、笑いが止まらなかった。
そして、会計で、
「替え玉100円です。」
と言われているのが聞こえて、

さらに笑った。

M君のおかげで、俺達は、替え玉が、どういうものなのかを知った。
麺だけのおかわりなんだ、と。



最近は、東京にもずいぶん豚骨ラーメン屋ができたので、替え玉がある店が増えたと思う。

今の小学生は、知っているのかも・・・。