昼休みの攻防

もしかして、これが、拒否？
初めての経験だった。

新着ログ一覧で、上から読んでいたら、
「このユーザのデジログは閲覧できません。」

と、表示された。

プロフィールを見ると、メールの受信、有だった。
デジメルBOX確認したら、メールがあった。

思い出した。

「ログ読んでくれて、ありがとん。MON下さい。」

すげー、直接的と思った。
で、俺は、冗談だと思って、そのまま放置したら、また、1時間後に、
「MONデリバリーお願いします！！」

プロフィールには、
「MONくれる人が好きです。ケチな人は嫌いです。」

世の中、ここまで、できる人は少ない。
逆に、友達になってみたいと思ってしまった。

足跡みて、すべての人に送っていると思う。
どのくらいの確率で、MONくれる人がいたんだろう。

ログは、3行ぐらいしか、書いてない人だったが・・・。
MONをあげなかったので、拒否されたらしい。



女の子が、
「私、そろそろ辞めたいんです」
と言ってきた。

もともと、上司のことが嫌いだと言っていた。
嫌いというよりも、イライラする、という感じらしい。

彼女も悩んでいるのかなあ、と思っていた。
でも、辞めてしまうと、寂しい。

「もうちょっと、いたら？」
「本当に？いてほしい？」
「うん、いなくなると、寂しいね」

ちょっと嬉しそうな顔をして、
「じゃあさあ、こんど、ショートケーキ買ってきて？」
「え？」

まずい、この子のペースに、はまってきた。

この子は、独特な雰囲気と、普通の人よりも少し遅いスピードで話すので、いつのまにか、この子のペースにはまってしまう。

いのまにか、約束をさせられる。
気をつけないと。

俺は、
「税金払ったりして、今、お金ないんだよね。」
遠まわしに、断っていく。

「そうなんですか。いいなあ。税金払うぐらい、ほかで稼いだなんて。
大変ですよね。
来週だったら、大丈夫ですか？」

この話している声で、なぜか、この子のペースに引き込まれる。
思わず、「再来週だったら、いいかなあ」とか言ってしまいそうになる。

ここは、ぐっとこらえて、自分のペースに戻す。

見えない攻防。

女の子は、女の子のペースに俺を引き込もうとする。
俺は、自分のペースを守ろうとする。

「わからない。無理だと思うよ。」
と俺は答える。

「そっかあ、食べたかったなあ。○○さんからもらいたかったなあ。」
俺があげたら、味がおいしくなるとでも、言うのか？
絶対、そんなことない、と思う。

でも、諦めてくれたようだ。よかった。
この攻防、俺の、勝ちだ。


昼休みが終わるので、戻ろうとして、一緒に歩き始めたら、
その子の友達がきて、
「あら、○○さん、お久しぶり」
俺にあいさつをしてくれた。

「久し振り」
4日ぐらい会わなかっただけだが・・・。

「ねえ、ねえ聞いて。今ね、ショートケーキの話してたの。でね、来週以降だったら、買ってきてくれるって。」

いや、俺は言ってない。絶対に。

「本当ですか？ありがとうございます。ちょうど、いちごの季節だし、食べたかったのよねー」

話をすすめるな・・・。

「再来週だったら、いいって言ってたよ」

いや、言ってない。。。。

「うれしい。」
2人でいつのまにか、話し始めた。

嫌な予感。

そこへ、友達(同僚)が通りかかった。
女の子が、俺の友達に言う。
「ショートケーキ買ってきて、て言ったら、税金払うからダメって言われたんです。」

友達が言う。
「税金払うぐらいなら、買ってあげろよ。」

俺は言う。
「でも、金ないもん」

友達がとどめの一発。
「だから、お前、モテないんだよ」


俺の負けだ。
勝ったと思ったのに。2人も女の子の味方が現れるなんて・・・。


ショートケーキでモテるようになるのだったら、安いが・・・。
そんなに、簡単ではないと思う。

勝ったと思ったのに、逆転負けしたのが、非常に悔しい。


人生、うまくいかないものだ。。。。