- 名前
- tarashi
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- 東京
- 自己紹介
- 外見はまじめ。60歳代だけど禿げてませんよ。小柄だけど、体力あります。性格はのんびり...
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低開発の記憶
2008年02月26日 00:25
「低開発の記憶」は昨年渋谷で公開されたときに見損なってしまいました。キューバの監督トマス・グティエレス・アレアによるキューバ危機直後のハバナ(キューバの首都)の風景を、妻や家族がアメリカに渡ったのに一人キューバに残ったブルジョア青年(彼の家には何とトイレが5つあるのですよ)の姿を通して描いています。
このブルジョア青年セルジオは妻や両親をアメリカに送り出してせいせいとした表情で小説を書こうとするのだが、その反面、いなくなった妻のストッキングを頭にかぶったり、ショーツをつまんだりして、寂しさを意識している。また、望遠鏡からハバナの風景を見て、変わらない祖国を確認しようとしてる。また、他の西欧の国から比べて「低開発の国」であるキューバを馬鹿にしているのだが、一緒に行動するブルジョア階級の友達ともなじめない。
街で出会った少女(16歳!)エレナと出会い、自分のアパートマンに誘い、妻の洋服を付けさせ、文化的な(美術館、それも現代美術)場所に引っ張り出して教養ある女性に仕立て上げようとするのだが、二人で(他の観光客と一緒に)行ったヘミングウェイの家でエレナにも低開発を認め、車に乗って去る彼女をヘミングウェイの家の2階から一人見送るセルジオ。
さらに、部屋にも入れてくれなくなったセルジオを、エレナの家族は結婚を餌にして処女を奪ったと裁判所に訴えるのだが、セルジオは冷静に難を逃れる。
一方、ケネディはカストロ政権に対して武力行使をも辞さないことを宣言しキューバ危機が勃発する。カストロは「祖国か!死か!」と叫び、セルジオがのぞく望遠鏡にも、武器を屋上に引き上げる人々の姿があり、テレビには戦車の映像がうつるのであった・・・。
1968年に発表され、各種の映画祭で賞を受賞しているラテンアメリカの名作なのですが、当たり前のようにアメリカではDVDはありません。
僕はアメリカで、スペイン映画のDVDを販売している会社からDVDを輸入して見ました。(英語字幕)
1961年のキューバ危機の知識や豚湾事件(CIAが反革命のためにしかけたクーデター未遂事件)など、映画の内容を理解するのはゆとり教育を受けた若い人は、世界史でも習っていない内容化もしれませんが、背伸びするためにもこういう映画が容易にみることができたらいいのですけどね。
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