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君の涙ドナウに流れ 

2007年12月03日 11:43

君の涙ドナウに流れ 

結構重い映画です。ハンガリーの1956年を描いた映画です。
この頃、ソ連衛星国であった共産主義国ハンガリーでは自由を希求する声が広がり始めていました。
水球でオリンピック出場を狙うカルチはモスクワソ連チームと戦い、卑怯な反則を数々くらい、ついに試合後にソ連選手を殴ってしまいます。
帰国後、彼はAVOという秘密警察長官に呼びつけられるのですが、この時点でカルチには政治的思想は全くといっていいほどありません。
彼は大学の集会で大声で周りの学生を煽動(ひとことでいえばそうですね。アジテーションです)する美女ヴィキを知ります。彼は彼女を何とか自分のものにしようとします。で、結局ヴィキを追って、激しくなった反政府運動の現場に行ってしまうのです。
 市民達は共産党穏健派ナジ・イムシを首相にしようとしてゼネスト突入します。ここで政府側及び駐留ソ連軍との市街戦が始まり、一度はソ連軍が撤退し、市民は勝利したかと思ったのですが、一週間後にブタペストに前にもまして増軍されたソ連軍が進駐し、制圧されてしまうのです。一方、ナジが代表になりソ連が仮の撤退をした間に、カルチら水球チームは、メルボルンオリンピックに参加し、祖国がまたも蹂躙されているのを知りながら、逆に祖国のためにソ連準決勝で撃破し、ついには金メダルを得るのですが、そのころ、AVOと進駐ソ連軍に追われたヴィキはつかまり、処刑されるのです。
 で、ソ連のひどさとハンガリーの自由への希求の映画と単純に言えばそうなのですが、実際にはアメリカ裏切り(まあ、そのあともアメリカソ連と同じく傀儡政権をあちこちの国に作ってめちゃくちゃをやるわけです)や、市民の間の反目、無統制などもあり、ハンガリー事件の位置づけはまだ決着していません。
 それに、日本で見る僕達にとって、こういう映画が例えば、中国韓国北朝鮮、その他アジアの日本の植民地下にあった人々の映画として撮られたとして、単純に感動できるでしょうか?そこまでの普遍化をどの評論家も述べていないけれど、例えば、かつて日本人に無理やりされてマラソンに出て優勝したなんていう感動的映画ができて、それを素直に日本人も感動できるような国民になれたらいいでしょうね。(無理でしょうけどね)

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