- 名前
- さんかく
- 性別
- ♂
- 年齢
- 49歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 人妻ってなんかドキドキします。
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
性の多様化
2026年02月24日 15:18
それはまだ、私が「パパ」と呼ばれるようになる前。独身時代の少し苦くて、あまりに鮮烈な記憶だ。
マッチングサイトで出会った彼女は、銀座のクラブで働いていると言った。メッセージのやり取りは驚くほどスムーズで、トントン拍子に会う約束が決まった。待ち合わせ場所に現れた彼女を見た瞬間、心臓が跳ねた。派手な装いではあったが、道行く10人の男がいれば、10人全員が首が折れるほど振り返るだろう。それほどまでに、彼女は完成された美を纏っていた。
一軒目の酒場を後にし、夜風に吹かれながら「次はどうする?」と視線を交わす。
「私の家、すぐ近くだから。……来ない?」
翌朝は早朝から仕事だった。だが、あの美貌に誘われて「ノー」と言える男がこの世にいるだろうか。私は迷わず、彼女の後に続いた。
通されたのは、都心のワンルームマンション。
独り暮らしには不釣り合いなほど大きなグランドピアノが鎮座し、都会の隠れ家のような、えも言われぬ雰囲気を醸し出していた。
グラスを重ね、心地よい酔いが回ってきた頃。彼女が「ちょっと失礼」と席を立ち、トイレへ向かった。静まり返った室内。ふと、扉の向こうから聞こえてきたのは、私の淡い期待を打ち砕く音だった。
便座を上げ、立ちながら用を足している、あの独特の音。
薄々は感づいていたのかもしれない。あまりにも出来過ぎた美貌、完成されたスタイル。しかし、欲望というフィルターが、脳に届くはずの警告を必死に遮断していたのだ。だが、その乾いた音は、残酷なまでに現実を突きつけてきた。
「……酔った。ごめん、少し横になるよ」
私は逃げるようにベッドに潜り込み、強制的に意識をシャットダウンした。隣に誰かの気配を感じながらも、ただひたすら朝が来るのを待った。
翌朝。差し込む朝日の中で、彼女は不機嫌そうに、、あるいは寂しげに呟いた。
「まさか、このまま何もしないで帰るつもり?」
私はその言葉を背中で受け止めながら、一度も振り返ることなく部屋を後にした。





このウラログへのコメント
コメントを書く