平常心是道③

「平常心是道（びょうじょうしんぜどう）」
「ありのままの日常の心こそが、仏道である」という意味の禅語です。これは、中国の唐時代の禅僧南泉（なんせん）禅師と趙州（じょうしゅう）禅師の問答に由来し、何か特別なことを求めるのではなく、日々の生活の中で揺るがず、自然体でいられる心が悟りへの道であることを示しています。
言葉の意味
平常心:「いつも通りの心」「普段の心」を指します。単に平静であることだけでなく、日々のありのままの心を指します。
是道:「そのものが道である」という意味です。
由来と背景
この言葉は、禅宗の公案集『無門関』の第19則に収録されています。
ある時、趙州禅師が師の南泉禅師に「道とは何ですか？」と問いました。
南泉禅師は「平常心是道」と答え、趙州禅師はその問いかけを通して悟りを得たとされています。
現代における実践
日常生活の些細な出来事に一喜一憂せず、冷静に物事に対処する大切さを説いています。
「平常心」とは、努力して作り出すものではなく、何かに振り回されずに「揺れ動くことのない心」であるとされています。
茶道や剣道など、様々な「道（martial arts）」の分野でも座右の銘として用いられ、日々の精進と実践の重要性を表しています。