幼くても悪意はある事実

前回からの続きです



夕陽が父親に引き取られ、街を去ってから2か月



周りは平和そのものでした



私も当時一人っ子だった、三女アンを連れ


ショッピングモールに買い物へ行き


娘の服を選んでるとき


ショップの外、通路をコソコソと歩く子が見えました


（店内でお友達と鬼ごっこでもいてるのかな）程度にしか思わなかったのですが


私たち親子が他のお店に移動し、店内を物色していると


またも同じような動きをする子


よ～く注意して見てみると



それは、街を去り父親の暮らすところへ引っ越したはずの、夕陽でした



店員さんに事情を説明し、協力して夕陽を保護してみると


「ここには一人で来た」

「電車とバスを乗り継いで、3時間かけてたどり着いた」


としか言わず


父親に連絡をすると


彼は彼で、息子の行方を方々探しまわっていたらしく


声でわかるほど、電話の向こうで安堵してました



夕陽は電話に財布、お菓子（食料として）、ノートPCを持っており


とりあえず父親が駆け付けるまで、ショッピングモールで待つことに


ですが、夕陽は裕美の娘にまで手をかけたわけですから


アンにも「手をかける」かもしれないと思った私は


アンを急遽、数回利用したことのある「エステ」に連れていき


お店に事情を説明し、夕陽が帰るまで預かってもらうことにしました



父親を待つ間、夕陽は色んなことを尋ねてきました


「イチゴさんは結婚してないの？」

「なんで結婚しないの？」

「すごく綺麗だから、すぐに結婚できるよ」



正直、12歳とは言え「気持ち悪い」以外の感情を抱けなかった私は



（早く父親、迎えに来い）



としか思えませんでした


その後も止まない質問にウンザリした私は


「そのパソコンにアニメとか入ってないの？それでも観てパパの事待ってなよ」


と、つっけんどんに話すと


「そうする」と答え、PCを広げる夕陽


フォルダを開き、ズラっと並ぶアニメのファイルに紛れ


「ママ」というフォルダを見かけた私


（ああ、亡くなったと言ってもこの子には母親だったんだもんなぁ。どこかへ行った時の写真とかを
保存してるんだろうなぁ）


と思った私


そして、次の瞬間


「裕美　やってやった」


という名のフォルダを見逃さなかった私



イチゴ「ちょっと！夕陽！！今のフォルダは何？」


イチゴ「変な写真とかじゃないよね！？」


と問いかける私に


夕陽「そんなの無いよ！見間違いでしょ」


と、とぼける夕陽



イチゴ「ねえ、もし何かのデータをコソコソ持ってるんだったら
せめて家族に渡してあげて。裕美さんも由香ちゃんも、もういないんだよ？（家族はもう会えないんだよの意味）」


夕陽「でも、そんなの無いから！」


頑なにフォルダの中身を見せない夕陽


イチゴ「本当に持ってない？私の見間違い？」


としつこく問い詰めるイチゴ


イチゴ「いなくなりたくて、あの2人はいなくなったわけじゃないんだよ？わかってる？」


の言葉に


夕陽「・・・これ」


と、先ほどのフォルダを提示してきた夕陽


フォルダを開いて見てみると


眠った顔のアップや、おっぱいを激写した写真

下着の写真、下着をずらした写真

服を着ていない写真

そして


セックスしている最中の動画（サムネイルでわかる）が出てきました



イチゴ「夕陽、あんたどれだけ酷いことしてるかわかってる？
とりあえず、他の人がいるところで話すことじゃないから
近くに人がいないところに移動しましょ」


そう促し、フードコートを後にして


再度父親に連絡


私の車を停めた駐車場にいるので、そちらに待ち合わせ場所を変更したい旨を伝え


再び夕陽を問い詰めました



イチゴ「これは、どうやって撮ったの？」



夕陽「・・・眠ったときに（裕美を睡眠薬で眠らせたときのこと）、部屋からデジカメ持ってきて・・・撮りました」


イチゴ「由香ちゃんのも、あったりするの？」


夕陽「・・・（黙って別のフォルダを提示してくる）」


そこには、「由香ちゃん　裕美とマンコ入れ比べ」


と書かれたフォルダがありました


そのフォルダにも、由香と裕美のあられもない姿が写真や動画で収められ


中には、母娘を床に並べ寝かせ


夕陽が2人に交互に挿入する動画が見つかりました



イチゴ「どうして、こんなひどいことができるの！？」


強く言っても、【今僕はなぜか叱られているが、理由はわからない】といった顔をしている夕陽


イチゴ「どうして、こんな写真やビデオを撮ろうと思ったの？これ、ひどいことだよ」



夕陽「・・・」


イチゴ「答えられるでしょ！？」


夕陽「・・・そういう動画を観て、自分もやってみたくて・・・」


イチゴ「何で、前に”ひどいことしたときに、物を盗ったりとかしてない？
何かしたなら、それも全部正直に出しなさい”って言った時に、これを出さなかったの？
あんた、やってること（二次レイプ）って言うんだよ？裕美さんも由香ちゃんも、これでもっと傷つくんだよ？」


夕陽「・・・でも、誰にも見せてないし」


イチゴ「そんなの当たり前でしょ！！何で人に見せるの？そういうものじゃないでしょ！！？」


夕陽「・・・」


イチゴ「とりあえず、ちょっといらっしゃい」


そう夕陽に促し、再度店内へ移動する私たち


家電売り場にて、USBメモリを購入し



イチゴ「そのデータ、写真も動画も全部よこしなさい」


そう言って、データをコピーし


パソコン内のデータは全て削除しました


夕陽「ちょっと！消さないで！！もう見ないから、消さないで！！！」



イチゴ「もう見ないなら、消しても問題ないでしょ！」


夕陽「本当だから！！見ないから消さないで！！」



こういった押し問答をしながら、データを消させたイチゴ



イチゴ「さっきの、”ママ”って名前のフォルダも見せてみなさい」



しぶしぶフォルダを提示する夕陽





案の定



「ママ」と名付けられたフォルダ内は



夕陽が撮影した、実母典代の裸の写真


夕陽の性器がねじ込まれた写真や動画


挙句の果てに


母親にハメ撮りもしてました



イチゴ「夕陽。あんたはママのことも侮辱して、他の女の人にもひどいことして

それなのに”僕は悪くない”って気持ちで、なぜ過ごせるの？」



夕陽「だって、減るもんじゃないと思うし・・・」


イチゴ「減らなかったら、人の大切にしてるものをメチャメチャにしていいと思うの？
由香ちゃんは、あんたと2つしか歳が違わないんだよ？あんな子に、あんないい子に
あんたどれだけ酷いことしたと思ってるの！？」


夕陽「・・・」




イチゴ「まあ、この（ママ）のフォルダのデータもダメです。消します。私がデータ取り上げます」


そう言って、典代がされた「卑猥なデータ」も吸い上げた私


夕陽は全てのデータを取り上げられて、ガックリとうなだれてました




程無くして、駆け付ける夕陽の父親


事情を説明し、再びPCをチェックする私たち


中にあったデータのひとつに


「イチゴとアンを”やってやる”」計画書を見つけました



次は、私たち母娘にに狙いを定めていたようです



父親「イチゴさん。そのデータはどうするんですか？」


イチゴ「私が厳重に保管して、頃合いを見てメモリごと燃やします。
こんなもの、存在したらいけないんです」

おそらく、被害に遭った3人とも


こんなものを撮影されていたとは、知る由もないでしょう


眠らされていた時の出来事なのですから


イチゴ「本人たちがこれ以上傷つくなんて、あったらダメです。墓前にも報告できないです」


父親「わかりました。私も家に帰ったら、他にも何か（ハメ撮りなどのデータが）残ってないか
細かく確認します」


そう話して、私たちは別れました


イチゴ「夕陽。してはいけないことは”してはいけない”の。あなたが”やってみたいから”なんてのは、理由にならないの」

その言葉に、夕陽からの答えはありませんでした



それから数日後

夕陽の父親から「他に（ハメ撮りなどのデータは）ありませんでした」

の報告を受け取り

更に数か月後

別の友人から



「父親に引き取られた夕陽くん、車の事故で亡くなったんだって」



という話を聞きました



知り合いがいるわけでもない、遠くの山間にて

父親が運転する車が走行中、道を外れ

道路わきの柵を突き破り

湖にダイブし、父子共々溺れて亡くなったとのことでした


私は「悲しい」と思わず


「これで、世に彼女たちのように悲しむ人が現れないで済む」


とだけ思いました




世の中には、想像を絶するような出来事があります


そしてそれらは、「判断も区別もつかない」人間によって生み出されることもあるのです



だから、決して「子どもだから安全」などと思わないでほしいです



子どもでも、やる事はあるんです




人は怖いものなので


娘たちにも「人の悪意」と言うものの教育を、しつこく徹底してます



私が今まで会った中で、”史上最低の子ども”の話でした






みなさんもお気を付けください



子どもにも意思はあり、そこには（区別がつかずとも「悪意ある行動」をとる子）は存在するのですから