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仮想東京デート(第二話)

2022年12月11日 18:17

霞ヶ関の駅から歩いた二人は、ようやく日比谷洋食店へ。
さっき、駅から出て初めてのキス以来、二人とも口数減った分、オレはオレで心臓の鼓動が高まり、A子はA子で食事前から頬も紅潮し、未だ興奮冷めやらぬと言ったところか?

店内入る前に、A子が一言。
A子「びっくりしたわよ」
オレ「オレがA子に夢中って証しだよ。オレの事、嫌いになったかい?」
A子「ううん。そんな訳ないじゃん?それどころかぁ。。。」
って、言葉詰まらせ、彼女の方からオレに抱きついて来て。。
A子「ばかぁ。。。」
オレ「判った、判ったから。。痛い、痛いよ。ほらほら、お腹空いただろ?」
駄々を捏ねる子供をさも宥めるかの様に、店の中へ二人吸い込まれて行った。

店の外観は洋館建てのいかにも「レトロ」の三文字が似合いそうで、さながらドラマの「犬神家の一族」を彷彿させる。。。
そんな感じか?

A子はたまに来る事があるらしく、今日も定番のワインから名物のカレーへ。
オレは。。さあ迷った。。
よしっ、オムライスで決まり。
おっと、先に飲み物はと。。。
ホントは冷酒いきたいけど、ここはひとつこれも定番のスーパードライで、まず乾杯

思えばA子とメル友から始まって半年。
オレ「なあ、色んな事があったよね?この半年。」
A子「ケンカ何回したかなぁ?」
オレ「A子からラインもメールも全然来なくてさ、オレもう【勝手にしろ!!】って、ヤケクソでメールしたりとかもね?」
A子「コロナホテル隔離とかなかったっけ?」
オレ「あった、あった。A子が心配してくれたのか、30分に一回。。。矢継ぎ早にメールくれてたよね?」
オレ「けどこうして、今日元気に逢えたのだし、これからは良い事ずくめだよ」
この半年のやり取りを回顧しながら、二人ともドリンク空けて、仕上げのカレーオムライスも平らげたあと。

オレ「ああ、オレ払うね」
A子「ありがとう。じゃあ、次は私出すからね」

とは言え、そんなの全然当てにもしていないし、仮に出させるなんて男の恥。。それがオレのポリシー。。

レストランを出て、またどちらからともなく(いや、オレの方が、少しずつ強い目に)手を握り合って不意に。。。

オレ「A子。。。なあ、二人きりになりたい。。。お前が欲しい。。。ハダカになって愛し合いたい。。。行こうか?」
         (つづく)

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