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- 我ハ墓守也。
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失楽園
2021年07月18日 23:31
若い方はご存知ないでしょう。
渡辺淳一の小説。
今検索すると1995年9月~96年10月まで日経新聞に連載、とあります。
わしは当日、日経を読んでいたのでリアルタイムでこの連載を読んでいたんですね。
で、展開もそうでしたが何よりも終わり方が衝撃的で、そんなことがあるんかいな、と思いましたが、この歳になるとあの終わり方は一つの究極の形ではないかと思えて来ました。
小説の中で道ならぬ恋に走る二人は最後は心中します。
で、男は彼女に聞くのです。
最後の願い事は何か、と。
彼女はこう答えます。
貴方と一緒のお墓に入りたい。
それだけでいいね?と念を押された彼女はそれだけでいいわ、と答え、その後に二人は最後の情事に望み、男が射精した直後に青酸カリを溶かしたワインを男が口に含み、女に一口飲ませた後で自分も飲みます。
二人は結ばれたまま、それこそ射精直後の硬直した陰茎が女性の陰部に深く突き刺さった状態で青酸カリの毒で即死します。
小説の最後の二日分は男と女性の検死結果で、結ばれたまま絶命した二人を引き離すには数人がかりで無理やり、力ずくで離さなければならなかった、という終わり方でした。
当時のわしにはそれが恋愛のまっとうな終わり方とは思えず、複雑な気持ちになったものです。
今はどう思うか。
そもそも道ならぬ恋に幸せな結末があるとは思っていません。
誰かを不幸にして自分が幸せになる、という考え方がわしには出来ません。
常識的にはそうでしょう。
しかし、そうした常識を超えたところにある恋愛なら、そのような終わり方があり得るのかも、と思うようになりました。
昭和の文豪では太宰治もそのような終わり方をしていますし、神話の世界からそうした道ならぬ恋 →心中、というパターンは無数に存在していました。
常識的には許されない。
しかし、許される、許されないを超越した恋愛もある。
そんなところでしようか。
当人達は幸せなのでしょうか。
失楽園は黒木瞳主演で映画が、川島なお美主演でテレビドラマが制作され、いずれもヒットしています。
わしはどちらも観ていないのでそれらの評価は出来ませんが、映画版を観てみようかと思っています。
皆様、良い日曜の夜を。
このウラログへのコメント
うーん。
確かにね、愛し合った二人が、しかも道ならぬ恋愛なら心中を選ぶのはアリと思う。
これは憧れなのかも。
でも誰かを不幸にして自分たちだけ幸せになるのはどこか違うと思える。
普通の神経だよね。
> ☆mina☆さん
そんな風に考える素材となり、話題をさらったんやから商業的には大成功やね。
わしの中では一つの示唆となり燻ってるよ。
> おのの きのこさん
血流が途絶えても骨盤底筋群が収縮したままなら勃起は維持されるやろ?
それとも血流ゼロ→筋肉弛緩、なの? そうなら絶望や
> まいまいまいむさん
ごめん、わしは日経含めて新聞を購読しなくなってもう20年になるから論評できない。ただ、朝の電車内で日経読んでてクレームを付けられるとは思えない。それが失楽園であってもね。
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