- 名前
- RYU
- 性別
- ♂
- 年齢
- 74歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- Hなおじさんではなく「おじさま」何回もはムリだけど 指で、手で、舌で、息で、言葉で、...
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12th Shin Yokohama Part 22 なぜだかわからない
2021年06月01日 20:13
なぜだかわからない。
過去に身体をつないだ女性たちは
誰もひどく淫らな女性ばかりだった。
由香に寝取られた女もそうだったし、
次々とむさぼった女性たちも
みな、淫語と愛液をわめきちらし
性交する部屋の灯りは決して消すことがなく
ほとんどが、ビルの陰や駐車場、公園など
異常な場所での恥戯を好んだ。
そして何のためらいもなく登ってゆき
何度も何度も、美しく、妖しく果ててくれた。
いま、安物のリネンの枕の上で
快感に首を左右に振り続け
茶色に染めた髪を撒き散らしているこの人妻も
美しくて淫らな点では
他の女性に負けなかった。
というより、そのまくれた上唇と
白目がちになった妖しい瞳に
時々力をよみがえらせては
こちらの顔をしっかりと見つめ
鼻翼をかすかに振るわせるさまは
ギリシャ神話のメドゥーサのようで
だれにもまして琥惑そのものだった。
こうなると、正上位で性器同士をかさねての
性感の高まりもさることながら
乱れる女性のそれなりに整った顔を
いつまでも見つめていたくなる。
それが射精までの時間を
少しばかり先延ばしして
その分この人妻の歓びを長引かせた。
「すごいわ。すごいわ。ああいいわあ。」
「あたるの。そこあたるううう。」
「突いて。もっと突っ込んでええ。」
時に覆いかぶさる力を加えて
ゆっくりと抽送を繰り返すと
じわっとぬるい愛液が
さっきよりもはるかに大量に浸出し
複雑な襞が妖しい蠕動をリフレインする。
だが、そんな性器の変転もさることながら
表情の変化も華やかだった。
眉をしかめ妙に真摯な表情をしたかと思うと
それが苦悶の様相に進んで目を閉じ、
悲鳴の形に口が開く。
そして、山を越えて
次の高まりに向かうまでの少しの時間は
照れたように微笑んだかと思うと
まるで恋人にするかのように
瞳を見つめながら
唇を求めてくる。
こんな変化を繰り返しながら
男の最後の瞬間を求めて
腰を突き上げてくる。
声がかすれてくる。
声が大きくなってくる。
大きくも小さくもない乳房が揺れる。
それにつれて
腰のくねりが速く大きくなる。
「ねっ。ねっ。いいの。いいの。」
「ほしい。ほしい。いっぱいほしい。」
「あなたあ、ごめんなさい。」
背中に爪が立てられ
それが激しくスライドする。
おそらく卑猥な軌条が
斜めに走ったことだろう。
だが、この痛みは
もはや鋭い快感でしかなかった。
「だいじょぶ。中に。中にかけて。」
「いっぱいかけて。いっぱい出して。」
「ねえ。ねえ。いっしょに。いっしょに。」
正上位のまま脚を高く上げさせて
肩に乗せる。
もっともっと淫れる表情を
鑑賞していたかったのだが
足の裏にまで電気のように流れる
下半身の快感はそれを許さなかった。
思わず、こちらの口からも
あえぎが飛び出す。
それがさらに歓喜を呼んだらしく
いっそう腰を激しく使う。
あわせるように抽送が速くなり
つながった腰の部分から流れ出す愛液が
シーツの上に
さらに大きなシミを上書きする。
「やだ。やだ。狂うよ。狂うよ。」
「どうして。どうしてこんなにいいのよおお。」
「ね。ね。一緒に。いっしょに。」
「きてえええ。きてええ。」
しがみつく力が格段に強くなり
狂ったようにキスを求めてきた。
そして、腰が突き上げられたまま硬直した。
狂おしい一日に別れを告げるような射精の瞬間が来る。
枕の横に脱ぎ捨てられた紫のTバック。
性交のためだけに創られたような形が
さらに卑猥によじれている。
白いシーツの上に浮かんだ原色の
濡れたクロッチが視覚を刺激する。
「いくううううう。」
「だすぞおお。うおおおお。」
「き、きたあああ。」
「あなたああ。ごめんなさい。」
「わたし、感じてるう。」
「ああああああああああああああ」
ずしんと重い衝撃が走り
ペニスを中心にして全身が硬直した後
強烈な快感が断続的に襲う。
長い。男の快感が長い。
同時に人妻の身体がベッドの中に沈みこみ
意識が飛んでしまう。
長い。
女の快感も長い。
ほとんど仮死状態になった
人妻の身体を強く抱きながら
男はぐったりと短い余韻をむさぼる。
腕を投げ出し
しぼんでゆくペニスを追いかけて
なお残滓を吸いとるかののように
襞を収縮させながら
女は無意識に長い余韻をむさぼる。
抱き合ったまま動かなかった。
抱き合ったまま動けなかった。
白く美しい肢体と
たるんだ姿態。
鏡の中とあわせて四つの裸体が絡み合ったまま
時間が静止したかのように動かなかった。
やがて意識が戻ってきたのか
ようやくうっすらと瞳を開けると
いかにもうれしそうにさらに抱きついてくる。
「よかったの。ほんとによかったの。」
ようやくつながった部分を離す。
とろりと精液と愛液が流れ出す。
「いっぱい。いっぱい感じちゃった。」
「うわあ、なにするのよ。そんな。そんな。」
結合を離したついでに
濡れそぼった女性器に吸いつくと
その卑猥な精液と愛液の混合液を吸出し
口に含む。
そのまま、唇を重ね、
さらに唾液を加えたカクテルにして
二人で飲みあう。
「こんな、こんなやらしいの初めて。」
「でも。おいしい。うれしい。」
「好きになっちゃうよ。だめ?」
「そうだよね。いいの。こうしてくれただけで。」
唇のはじから、卑猥なカクテルを一筋流しながら
じっと見つめるさまは確かにとてつもない。
だが、一瞬の快楽の「恋」ではあっても、
永続する危険な「愛」にしてはならない。
欲望のままに股を開いてきたこの人妻は
こちら同様に十分にそれを知っている。
だからこそ狂ったように本能に没頭できるのだろう。
由香とのゆがんだ関係に落ち込んだあの女との
狂ったように高まり続けた性の関係は
こうして終わりを告げた。
この人妻が体感しているように
二人で積み上げてきた性の高まりへの共同作業は、
決して愛などではなかった。
けれども、確実に友情めいたものはあったはずだった。
そのままの間柄が温存できたはずだった。
なのに
極端にゆがんだ形ではあるものの
あの女は由香との「愛」に走っている。
二人の間では破ることができなかった掟を
あの女は、女同士という形で破ったのだ。
そうさせたのは
いま鏡に映っている自分かもしれない。
そして
この自分は人妻との激しい情交で
かろうじて自信を取り戻しつつあった。
満足げにのろのろと濡れた下着をつけだし
身支度を始めた人妻に
思わず「ありがとう」と声をかける。
「こちらこそ」と答える人妻は
ひどく可愛かったが
次に身体をつなぐ時は決まってなどいなかった。
淫らな人妻はまた新しい刺激を求めて
精液を呑みこむに決まっているし
こちらはまた新たな欲望を求めて
彷徨を始めるに決まっていた。
卑猥な実況を続けていた電話は
もう、とうに切れていた…
(この章終わり)
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