趣味は読書、(他人の)人生が変わる瞬間

何年も前に、「世界まる見え特捜部」を見ていた。
ポール・ボッツという冴えない中年の男が、オーディション番組でオペラを歌うと言って、審査員の失笑を買っていた。
しかし、いざ歌ってみたら、その歌の素晴らしいこと。
いい意味で期待を裏切られ、彼は優勝し、プロのオペラ歌手になった。
彼の人生が変わった瞬間だった。

今日、何の気なしに、テレビをつけたら、「M1グランプリ」をやっていた。
既に、3組目は終わっていた。
最近、漫才をテレビで見る機会は、ほとんどない。
売れている芸人にも、詳しくない。
だから、僕はほとんど何の予備知識もなく、テレビを見ていた。
「ミルクボーイ」というコンビが面白くて、決勝に進出して、優勝した。
とても、面白かったが、決勝のネタは、最初のネタのいわばバリエーション。
違ったパターンが見たかった。
彼らは、今年このテレビ番組が、初出演だという。
下積み時代はあっただろうが、無名である。
そして、今晩、優勝賞金1000万円と、その他の副賞を手にした。
人生が変わった瞬間である。

たまたま、そんな時を見て、何だか単純に良かった。
それは、きっと僕が「ミルクボーイ」が一番面白かったかなあと、思っていてそれが現実と一致したからだとも思う。
自分の期待と、現実が一致したから、気持ち良かったのだろう。