趣味は読書、青虫

今日は休みで、昼近くに、歩いて洗濯がてら買い物。
歩道を歩いていると、脇の草地から出て来たのだろう、12㎝くらいの青虫が僕の前を横切って、車道の方に向かって這っている。
灰色の歩道を緑色の青虫が這っているのに、少し驚いたが、そのまま一旦通り過ぎた。
しかし、どう考えても、青虫の先には、車が頻繁に通る片側二車線の道路。
餌があるとも思えない。
このまま進んだら、きっと轢かれてしまう。
生きていれば、グロテスクな青虫でも、美しい蝶になるかもしれない。
僕は、道端に落ちていたペシャンコに潰れた板ののようになったジュースの缶を拾い、青虫を掬い上げて草地の中へ放り投げた。

恐らく、まだ3歳になるかならない頃、家の庭で、大きな青虫を見た。
子供だったから、殊更大きく感じたのかもしれないが、ともかく大きかった。
青虫というより、芋虫と言った方が良さそうな大きさだった。
今日、たまたま青虫を見て、幼い頃のことを思い出したのだ。

僕は青虫を救ったつもりでいるけれど、もしかしたら、青虫には青虫なりの本能的な理由があって、車道に向かっていたのかもしれない。または、車道には行かず、途中で方向を変えたかもしれない。
僕は、小さな命を救ったと思っているが、実は余計なことをしてしまったのかもしれない。
青虫は、結構頑張って、あそこまで這って行ったのかもしれない。