趣味は読書、危険な秋

僕はもう劇場で映画を見ることは、ほとんどないと思っている。
本を読むのも好きだが、映画のパンフレットを読むのも好きなのだ。
若い頃、映画代と昼飯代と運賃ギリギリで、友人と見に行ったために買えなかった映画のパンフレットが、手に入るかどうかネットで検索したら、最安は1円プラス送料で何種類も出てきた。
面白くなっていくつもの本やパンフを検索したら、該当無しは一つもなくて、値段の高低はあるが、金に糸目をつけなければ、何でも手に入りそうである。
あと、中古であるという点も我慢すれば。
僕は今まで本に対しては潔癖で、ほぼ新刊しか手にして来なかった。
しかし、僕が欲しいと思っているものの多くは既に絶版になっていて、結構な年数が経っているものが多い。
そうなると、再販されない限り、何年も前の本になるのだから、古本でもあまり変わらないのではないかと思うようになったのだ。
名を捨て実を取るというのとは、少し違うのかもしれないが、少しの汚れや経年劣化を気にせず、実物を手に入れる方が良いのではないかと思い始めた。
これは、非常に危険な兆候で、自ら戒めを解くことになるのである。
ネットで、古本を買うようになったら、そこにはブラックホールが待ち構えている。
しかし、ブラックホールの吸引力は非常に強いので、きっと飲み込まれてしまうのだろう。