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言葉は剣

2019年10月03日 16:16

ご近所にとてもよくして下さる方がいらっしゃいまして、
のり面の草刈などを無償で行って頂いたりとても助かっております。
一人ではとても出来ませんから本当に感謝し有り難く思っている次第です。

ですが、少しだけ困る事がございます。
「このあたりは潮風混じりだから洗濯物は乾いたらすぐ取り込まないと
せっかく洗濯しても塩分が付くよ」
「庭の雑草を伸び放題にしているとムカデや蛇が住み着いて
両隣の赤ちゃんに何かあったら問題になるから刈らないと」
「今日は出来そうだと思ったらちょこちょこっとやればいいんだから
それくらいしないと」

お説ご尤もでございます。
私も重々承知しておりますし、出来ればやりたいと考えてもおります。
ですが「それくらい」が出来なくて自分の不甲斐なさに泣いているのです。

病を得るまではごく普通にこなせていた事柄です。
寧ろ庭に季節の花を植えたりともっと上の事もしておりました。
しかし「それくらい」が今の私には出来ないのです。

『やらなければ』『やっておこう』という気持ちのままに動くと、
あとで揺り戻しが来て3日から1週間くらい何も出来なくなるのを
何度も何度も繰り返し、
自分の気持ちと実際に可能な活動量のバランスを取れるようになるまで、
実に数年を費やしました。

説明を致しましても、自分の周囲にそこまでの症状を呈した人をご存知ない場合、
理解して頂くのは非常に難しいのでございます。

「それくらい」
そう、洗濯物を取り込むのも、広めとはいえ庭の草を刈るのも、
普通の方にとっては重く感じる事は少ないでしょう。
かつての私でしたら気にするような言葉でもございませんでした。

でも、今はその言葉は私に剣となって深々と身を抉るものとなりました。
「また言いにいらっしゃると面倒に思ってしまうから」と
洗濯物を取り込んでおいて庭の草をいくらか刈り取りましたら、
「それくらい」の事でもう3日も動けなくなっている状態なのでございます。
原稿にも手を付けられずにおります。

鬱病楽しい、嬉しい、やろうという気を起こすのに必要なセロトニンの放出が少なくなる病です。
一度そういう風に壊れてしまった脳は元の通りには戻せません。
自分の許容量と必要な範囲のバランスを取れるようコントロールする事を身に付け、
薬を必要としなくなるところまで安定させていくのが精一杯なのです。

これは私個人の場合ですけれども「頑張って」よりも「それくらい」という言葉の方が、
大きなダメージを受けます。

手のひらの上に残った『出来る事』のなんと少ないことか。
失われた能力の多さを思い出させる言葉を聞くたび、
「そうですね」とニコニコ相槌を打つ仮面の裏側で、
私は膝を付き額を地面に擦りつけて号泣しているのでございます。

『ペンは剣よりも強し』と申しますが、言葉は針の様に細く鋭い氷の刃となって、
体の深部まで入り込み心を切り裂きます。
悪気なく仰る言葉ですから、気にする方が悪いのかもしれませんけれども・・・。

このウラログへのコメント

  • つれづれ 2019年10月04日 08:33

    「それくらい」てなぁーに?

    最近耳にする

    「普通」てなぁに?

    という言葉に重ねてしまいます。。。

    わからん人には、チコちゃんに叱って欲しいとこですね^^;

  • MAMETTI 2019年10月07日 18:47

    酷いお方ですね
    そのお方は女性かな??

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