- 名前
- 松田文学男爵
- 性別
- ♂
- 年齢
- 60歳
- 住所
- 東京
- 自己紹介
- 君はきっと、 僕のことが好きなんだろう。 そんな君を前にすると、僕も君のことが好きな...
JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。
右手がジンジン
2019年01月01日 15:45
二年前の春、夫が交通事故で、まだ幼稚園の娘と私を残して逝っちゃいました。
あまりに突然のことで、その頃のことはあまり覚えていません。
夫を失ったショックと、これからの生活への不安で精神的にまいってしまい、
家族の助けをかりて何とかやっていける日々が続きました。
まだ小さい娘にもあまり気が回らなくなり、自己嫌悪の毎日。
でも娘は寂しそうな素振りも見せず、
きっとまだ小さいから、父親が死んでしまった事を理解できてないんだと思いました。
そんな生活が半年ほど続いた頃でしょうか、娘がよく右手を見つめながら、
「お手手がじんじん。お手手がじんじん」って言うようになりました。
「お手手痛いのっ?」って聞くと、「お手手痛かったのー」って。
あんまり頻繁に言うものだから心配になって、病院に連れて行ったのですが、
特に異常も無く、精神的なものかもしれないと不安になりました。
そんな時、ふと夫の事を思い出しました。
いつも娘の右手を握って、道路側を歩いていた夫。
体育会系で元々握力が強い夫でしたが、娘が心配だったようでいつもしっかり手を握って、
娘に「お手手痛いよー」って嫌がられて、困った顔して笑っていました。
その日は娘にこう聞きました。
「お手手繋いでたの?」
「うん、パパ痛いんだよぉ」
涙が溢れてきて、娘を抱きしめてわんわん泣いてしまいました。
夫が亡くなり、娘が寂しがらなかった理由がわかりました。
不甲斐ない私の代わりに、いつも娘の右手を握ってくれていたんだと思います。
もう夫に心配かけさせちゃダメだって、娘を一人ぼっちにさせちゃダメだって、
立ち直るきっかけを与えてもらいました。
今では夫の代わりに私がしっかりと強く、じんじんとまでは行きませんがw
娘の手をぎゅっと握っています。
このウラログへのコメント
コメントを書く