強く生きていく

イギリスに行って数日、お仕事と言う名の世界旅行をした私ですが


スペインへ行ったのも、みなさん覚えてらっしゃいますでしょうか


スペインからフランスへと旅した私たち親子と同僚2人の、計4人ですが

途中、スペインである人物に会ってきました





はい、遺伝子上の私の父親です



私自身は、会うつもりは無かったのですが

娘も家族になってくれたことだし

私自身も気持ちにケリをつけようと思い立ちまして

意を決して、寄り道して会ってきました




彼が存命のときに、私の父親を私に内緒で調べてくれていまして


1通の封筒を渡されたことがありました



中身は「私の父親に関する資料」で


読むも読まないも自由、捨てるのも自由


会うのも自由だよ、と渡された大事なもの




ずっと目を通すことなく、保管していただけでしたが

娘が私の家族になってくれたときに、勇気を出して開封して


顔写真や住所、今の職業（およそ10年以上前のデータですが）を知ったのはつい最近


それらを頼りに、スペインのマドリードへ寄り

人に尋ねながら家を訪れ

ようやく遺伝子上の父親と、35年で初めての対面をしまして




ご存知の方も多いでしょうけど、本当の父親はスペイン人なんですよ

憎たらしい遺伝子上の母親（日本人）が、スペイン人と浮気して出来たのが私でして

そりゃ、母親の配偶者である父親（日本人）からすれば

浮気相手の子どもなんて憎たらしいでしょうから

レイプ未遂にまで発展したのも、私には頷ける話しなんですけどね



玄関をノックして、出てきたのは中年男性


自分が知っている写真の「それ」より太ってはいましたが、見覚えのある顔



遺伝子上の父親との、初遭遇でした



同僚が2人ともスペイン語を話せるので、通訳してもらい

父親は驚きながらも、私たちをおうちへ迎え入れ

私を時折、チラチラと見ては目をそらし

何ともまどろっこしい時間




正直、私の率直な意見は「こんなもんか」


実感が湧かないんですよね



言葉一つ通じない人を目の前にしても

父だと感じられるものもなく

正直、同じ部屋にいるのが苦痛でした



話も弾まず、コミュニケーションも取れず


まあ、私としては「義務を果たした」感じ



そして、父には家族があり

たまたま出かけている奥さんや子どもの写真（私にとっては姉妹にあたるのでしょう）を見せ

父は今現在、とても幸せそうでした




私も幸せだし、それでいいじゃないか



その後、通りのカフェでお茶に誘うので同行し


同僚が懸命に父のスペイン語を私に訳してくれ、会話をすること30分ほど



何も話さず、俯く娘


気になって、そっと覗くと

瞳いっぱいに、涙を浮かべ
ジッと何かを我慢してる様子


その瞬間に、私は一気にボルテージが上昇し


お向かいに座る父親に、フルスイングビンタ


あっけに取られる父親や同僚、隣の席々に座る人々を背に

娘の手を取り、挨拶をしてその場を立ち去りました




娘の手をとり、歩いてるときに
ボソっと娘が一言


娘「Thatfeltgreat!」
（スカっとしたわ！）



やっぱりそうか


いえ、薄々感じてたんですよ


私も、父親にとっては「娘」なわけじゃないですか

でも、彼の口から出てくるのは「家族といかに仲良しか」の話ばかりで

私に「苦労をかけて申し訳ない」とかの謝罪がなかったんですね



まあ、私という存在すら知らなかったわけですから、しょうがないのですが


それでも我が娘からしたら「一言、私のママ（私のこと）に「ごめんね」って言えないの」
って気持ちがあったようでして



娘が泣く事といったら、家族をバカにされて悔しいときくらいですから

きっと、私の気持ちを汲んでくれてるんだろうな・・・と思うと

何とも思ってなかった私も、一気に怒りがこみ上げてきまして



スパーンと一発、父親を引っ叩いちゃったわけでございます



でも、私自身もスカっとしましたよ

彼が母親とセックスしなければ、私は生まれてないのは事実なのですが

お前の性欲のせいで、巡り巡って私の娘を泣かしやがってという気持ちがありましたからね



でも、私が死ぬまでに実の父親の顔を見ることが出来ましたし

義理は果たしましたし

気分爽快です


今後、一生会うことはないでしょうけど

彼は彼の人生を、私は私の人生を

それぞれ豊かなものにすればいいわけですから



それと同時に、なかなか味わえない人生を経験することもできたので

私にはプラスだったかな




過ぎ去りし苦難をあれこれ言っても解決しません


前を向いて、歩みを進めるのみ



イチゴは今日も、前向き全開です



ご清聴ありがとうございました