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16th Harumi Pier Part 11

2016年04月09日 23:06

16th  Harumi Pier  Part 11

少しでも埠頭に似たような状況がほしかったので
めったに開いたことのない浴室の窓を開けていた。

アルミサッシの外側のよろい戸風の目隠し
もちろん開け放っていた。
よろい戸は風にあおられて開閉をくりかえし
バタンバタンと不規則な音をたてる。
確かに風が、雨が吹き込んでくるから
浴室での行為に
それなりの演出効果をもたらした。
こんな音をBGMにして
とてつもない大声で
淫語をわめき散らしていたから
その甲高い声は隣室に届いていたのだろう。
この部屋に入るときに
隣に4WDが停まっているのを
見かけているから
隣室でもセックスが続いていたのだろう。
こちらのシャウトに刺激されて
同じように浴室の窓を開け放ち
自分たちの行為の声を
聞かせたかったのかもしれない。
風雨はおさまりかけていたが
性器をつないだままわめきあう嵐は
2箇所に増えて、まだまだ続いている。
それはまるでSEX
パブリックアドレスだった。

「ちょうだいよお。おまんこに。」
「お・ま・ん・こ・にい。」
くしゃくしになり
あちこちに
卑猥なシミがついたシーツの上で
こちらの女がわめく。

おちんちんいれてえ。』
ちんちんよお。』
今度はあちらが浴室で始まったのだろう、
少しエコーのかかったわめき声が流れ込んでくる。

長い口唇性交が一段落して
いまは収縮を繰り返すアヌス
舐めあげた後
ボタボタと愛液を垂らす性器
背後からペニスで貫いている。
オス犬とメス犬の行為が
鏡に映り込んでいる。
それをふたりで見つめあいながら
また、高みに登ってゆく。
ひくつく性器
くねる腰。
ゆれる乳房
垂れるよだれ。
流れる愛液
色づく太もも
前髪の間からのぞくとろんとした目。
濡れたピンクワギナの間から
色黒いペニスが蛇の胴体の
のたくりのように
ぬめりぬめりと出入りする。
そして
時に隣のよがり声ともわめきが同期する。

「そこ。そこ。そこがいい。」
『いやよ。いやよお。そんなとこ。』
「もっと。もっと突いてえ。」
『だめ。だめ。お尻はだめえ。』
「いいの。いいのおお。」
『だめええ。でもいい。いい。』
おまんこがこわれちゃうよ。」
『後ろなのに。後ろなのに。』
「ね。ね。またイきそう。」
『やだああ。お尻でイクうう。』
「いい。いい。いい。」
『いい。いい。いい。』
「ああああああああ」
『わわわわわわわわ』
明らかに
ほかの女の声を聞き
ほかの女に声を聞かせ
ほかの女と競い合い
ほかの女より
自分のほうがいいことを
強調していた。
そして次の瞬間は
ふたりの女の声が完全に重なった。
おまんこおおおお」
おまんこおおおお』
おもいっきり声をふり絞り
そしてその後のしばしの静寂
同じ後背位
ベッドの上の女は性器を収縮し
隣室の浴室の女は
アヌスで達したようだった。
股をおおきくひらいたまま
親指をしゃぶりながらがっくりと倒れこみ
それなのにまだ、性器から愛液が湧いてきている。
奇妙にかわいらしいしぐさと
かすかにただようメス犬のにおいが
アンマッチな刺激となって
押し寄せ続けてくる。
やがて、
窓からかすかにシャワーの音が聞こえだした。
女がしゃくりあげる声がする。
それに男の低い声がだぶる。
何を言っているかは聞き取れないが
女が肛門の刺激で高みに登りつめた快感を訴え
男が、もっとを促していたのだろう。
思わずニヤリとにやけたこちらの顔を
鏡の中にみてとって
自分を取り戻したばかりの女が
「バカ」とつぶやくと
乳房をおしつけて抱きついてくる。

嵐の埠頭で最高潮に達したものの
嵐が静まるに連れて
「普通」の性交になっていった行為は
隣室からのよがり声という
思いもしなかった闖入者により
まだ
終わりを迎えることにはならなくなった。

まだ…

(続く)

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