お店のお値段

若かりし頃。

高校の友人たちと、高校時代だったか卒業してからだったか

とある街を歩いておりました。


５人くらいでふらふらしてたら、駅からちょっとのところにある「ぴんくな街」の一角に
まだ早い時間だったのですが、そのお店の前にはすでに黒い服のお兄さんがたってらして。その前の看板には

「ただいまのお時間　７０００円」

とかそのくらいの金額が。


ぴきーんときちゃった誰かが、誰に言うでもなく
「あそこ行ってお小遣い稼いで来なよー」
と、つぶやきました。

よっくあるお話しですね。


が、我が友人。
天下無敵の天然ぼけさんが一匹。
「え～？あそこにいったら七千円もらえるの～～～？」

「ちがわい！」
「そうじゃないっ！」
お店がなんなのか解ってる人たちは騒ぐのですが、一人、彼女だけは
「え～、じゃあいくらもらえるんだろぉ～～～」
と、うっとり眺めています。

で、我々。
とりあえず、首根っこつかんでお店まで行って
「すみません、こいつお願いします」

ところが、彼女
「七千円もらえるなら、いくぅ～～～。」


わかってない。
たぶんわかってない。

「ぢゃっっ！！」

店の前に彼女を置いて脱走。
しかし彼女はそんなわたしたちに向かって
「ええ～～、なんでみんなやんないのぉ～～～～～？」

やるかぁ！！！


数分後、追いかけてきた彼女に
「何でやってこなかったの？」
と、聞くと
「みんながむこういっちゃったから」


・・・店の前で立っててやったら、彼女はどこまでやったんだろうか。


そんな彼女は、今も、彼女のままです。