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16th Harumi Pier Part 3

2016年03月22日 21:21

16th  Harumi Pier  Part 3

客船用の凝った建築物がそびえる一帯。

以前は、貨物船が停泊する岸壁を走り
わき見運転でもしようものなら
簡単に海に転落してしまうほど
あっけらかんとした波止場だったが
さすがに整備がすすんで
一昔前の荒涼とした雰囲気はなくなってしまった。
それでもなお東京夜景
美しく望めるポイントとして
カーセックスの名所となっている。
だが、低気圧が暴れるこの夜は
大型のトラックが遠くにぽつぽつと見える以外は
周囲に車のかげはなかった。

ざあざあと雨。
ごうごうと風。

時にこちらの行為とは別の周期で車がゆれて
怖いくらいだった。
だが
そんな時、自然の猛威の前に不思議と心が昂ぶる。
愛液をかき混ぜる音が聞こえ
よがり声・わめき声が耳をつんざく。
カーオーディオからの音楽は
淫語のわめきに打ち消され
うなる風音に飛ばされてしまっている。

夏の終わり。
クーラーをつけていても
淫らな行為の続く車内は暑い。
つんと張り出した乳房の間を汗がツーと流れる。
その汗をしゃぶりながら
ついでに性器をかき回して
べっとりと愛液がついた指も口に運ぶ。
見せびらかすように
ぴちゃぴちゃと音をたてて吸うと
そのしぐさがたまらないらしく
「ああ」とため息をつく。
とうにラブホテル行きはあきらめていたから
時間だけはたっぷりとある。

すでにふたり全裸になって
室内灯を点けたまま
濃厚な行為を
互いに見つめあいながら繰り返した。
「ね。ね。いい?イッてもいい?」
「おかしいの。すごおく感じるの。」
「風が、雨がああ」
おまんこ、変にしてるう。」
「あっ、あっ。イク。いくううう。」
「うわあ。おまんこよおおお。」
こんなことが三度か四度は続いた。
インターミッションをとってはまた始まる。

また始まると前より鋭く感じる。
また始まると前より早く登りつめる。

そして、突然、絡みを解くと
「おもてで。おもてで…」
「出るのおもてに。」
「おもてでするの。おまんこするの。」
「一緒に…」
そういうとドアノブを引いてそのまま表に
転がるように車外に出てしまった。

横殴りの雨。
一瞬開いたドアを
押し戻すような轟風。
かすかに揺れながら刷毛で描いたような
銀色の雨筋を映し出す街灯の下で
見事な裸身がたたずむ。
その姿が窓の外ににじむ。
あっけにとられた。
何が何だかわからなかった。
だが、しばらくしてようやく理解できた。
全身に雨を、
全身に風を
受けて
異様な興奮の只中で
卑猥な行為を続けようというのだ。
それほど高まりたい
それほど狂いたい
それほどよがりたい
ということだった。

濡れた身体をどうする?などという
後先を考えるひまもなかった。
誘い込まれるようにこちらも全裸で車外に出る。
火照ったからだが急速に冷やされるが
気温そのものが高いので寒くはない。
全裸の身体にたたきつけられる雨風で
異常に興奮するから
佇立は少しも萎える気配を見せない。
すでに髪の毛からつまさきまで
水中にあるかのように濡らした女に抱きつくと、
ざあざあと雨が
奔流のように流れるボンネットに押しつけた。
そのまませり上げて脚を宙に浮かせる。
激しく乳房をつぶすように腕をまわし
ねっとりと唾液を吸いあう。
その互いの口にも雨が流れ込む。
それがまた新たな興奮を呼んだ。
男も女も異常な昂ぶりに
身体を震わせ出している。
「ああああ。キスだけでいっちゃうよおお。」
「上のお口なのにい。おまんこにひびくの。」
「もっと頂戴、唾、ながしこんで。もっとおお。」
「あああ。呑んで。呑んで。唾呑んでええ。」
「ほんとに。ほんとにイっちゃうよおお。」
キスの合間に唇を離すのは
淫語を解き放つためだ。
風に負けじと声を張り上げ、
本能をすべて晒し
そしてしがみつきながら身体をふるわせた。
本当にキスだけで達したのだった。
「イったの。イっちゃったの。」
「すごいよ。すごいよおお。」

だが、異常な状況は
休みを取ることを許さない。
ボンネットの上にさらに身体を押し上げると
M字の形に開脚させる。
かといって全身が
ボンネット上にあるわけではないから
何とも宙ぶらりんだった。
そのまま身体を押して車の正面前にまわる。
こうすると少なくともバンパーに足がかかって
いくらか安定が良くなる。
というか、
性器を広げた形をとりやすくなる。

愛撫は雨が代行した。
愛撫は風が代行した。

体勢を変えるだけで
新しい興奮が訪れるらしかった。
「あああああ」
叫びがまた高くなる。
いきなりむしゃぶりついた。
雨と愛液唾液とで
べとべとになった性器に口をぶつける。
そして首を乱暴に左右に振りながら激しく
舐めあげ
吸いだし
しゃぶりあげ
かじりつき
かき回し
ほじくった。
その間にも、激しい雨が口元に流れ込み
ねばつく愛液と交じり合って垂れ流れた。
「あああ。おおおおまんこいい。」
おまんこいい。」
おまんこおおお。」
「また。また。イくのよおお。」
雨なのか、
愛液なのか、
唾液なのか、
吹いた潮なのか、
失禁したのか
もはやわからなかったし、
もうどうでもよくなっていた。
風を受けて車が身もだえすると同時に
女も痙攣して、またも果てる。
車の中ですでに何度か
アクメに達してはいるのだが
暴風雨の屋外でびしょぬれになり
風で髪を撒き散らしながらの淫行が
こんなにも快感を呼ぶとは
思ってもみなかった。

風と同じように激しく
雨と同じようにどしゃぶる
とてつもないセックス
さらにその狂気を深めてゆく…

(続く)

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