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「開闢」

2015年11月23日 06:24

「開闢」

「それがそもそもの初めである、ある名づけえぬもの」であり、「それ以上遡行不可能な単なる奇跡」である。他のものとの対比がそれに持ち込まれると、あたかも対比が成立する為の共通項がもともとあったかのような錯覚が生まれ、同時に「開闢」それ自体が対比によって成立した内部に位置づけられることになり、その錯覚が現実を誕生させる。内部から「開闢」に存在の条件が与えられるという観点を「カント原理」、それに対立する「開闢そのもの」の観点を「ライプニッツ原理」と呼んでいる。また、言語の有意味性自体が「開闢」の隠蔽を担っており、この言語(私が理解する唯一の言語)の有意味性の内部に私が幽閉されているということに置いて、「開闢」を内部で語ることは出来ないという。

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