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D ~車輪~

2015年10月17日 15:18

契約寸前のところで30000円の登録料を請求された…

そんなお金持っていない…

今日の晩御飯のお金すらない…

その事を青木に伝える。

なにやら考えている様子の青木


青木「何でもやれるか?」
T助「大丈夫です!」
青木「わかった。とりあえず30000円できるまで他で働いて貰おうか。大丈夫?」
T助「大丈夫です!」
青木「ちょっと待ってよ。」


と言うと、ポケットから携帯を出して誰かに電話をかけている。

青木「お疲れ様です… ちょっとウチに面接来たんですけど… 登録料が無くて… できたらそちらで… ええ… わかりました。」

と、携帯を切ると。

青木「よかったな。使ってくれるそうだ。今から面接行こう。」

と言うと青木は立ち上がり部屋から出ようとする。

T助「どこに行けば…」
青木「上だよ。」


どうやら7階に青木の先輩が事務所を構えているらしい。

エレベーターに乗り込む前に。

車の免許はあるかと聞かれた。

持っていますと答えると青木エレベーターに乗り込んだ。

7階に着き少し進んだ所にその事務所はあった。

青木に連れられ緊張感しながら中に入ると…


大きなベットが一つ、ソファが三つ、デスクが一つ…


そして部屋には三人の女、一人の男がいた。

その男がこちらに気がつくと…

男「おお!君か!東といいます、よろしくね。」

と結構緩い感じの挨拶。

青木とあまり歳は変わらない感じだが東の方が余裕がにじみ出ている。

青木「それでは、よろしくお願いします。」

と言うと、青木は部屋を出て行った。

東「おつかれー」

と言うと、

東「早速だがT助君だった?お金ないのか?」
T助「はい…」

と言って今迄の経緯を話す。

東「そういう事ね。わかったよ。じゃあ早速やってみるか?」
T助「ちなみに何をすれば…」
東「ウチねデリヘルなんだわ。その運転手。つまり送り迎えね。」

と、システムの説明に。

東「来れる時に来てくれればいいから。朝は11時からで夜は0時までね。とりあえずここに来ると一日中出番無くても2000円。女の子を送って1000円。迎えに行って1000円。ガソリン代は自分持ちね。簡単でしょ。」

つまり送ったついでに女の子を拾えれば効率が良いと。

ちなみに三人乗せて出れば3000円になる計算だ。

これなら行けそうだ。

T助「よろしくお願いします。」
東「それじゃあ明日から頑張れると約束できるか?」
T助「はい!」
東「絶対飛んだりすんなよ。」

と言うと

東「晩御飯も食えんらしいな。」

と言うとポケットから財布出し…

東「信頼するから飯でも食え。」

と言って10000円握らせてきた。

T助「いや…貰えないです…」
東「遠慮すんな。」


と言って肩を叩いてきた。

今迄の人生で一番のお礼を言って部屋を出た。


緊張と興奮で何がなんだかわからない。

初対面の人にお金をもらったのも初めてだ。

1時間くらい興奮がおさまらなかったが、ふと冷静になった時、気になる事が頭をよぎった。




ソファに座ってた女の人…


三人いたけど…




全員かなりのおばさんだったよな…




続く

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