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趣味は読書、僕は偽善者

2015年02月20日 00:49

彼が新しいアルバイトで来てから、一年くらいになるか。最初、雑用のバイトの彼を見た時、正直驚いた。マスクをしているのだが、その顔が黒人のように黒いのだ。歳は20代前半だろう。最初は、僕も好奇の目で見た。
後に、アトピー性皮膚炎だと、知った。しかし、彼はやがて、僕には、真面目だし、しっかりしているように思えて来た。今では、信頼さえしている。
僕の会社には、送迎バスがあり、昨日彼と彼の同じ部署の人達が乗っていた。僕とその部署の一人が降りた。
アトピーの彼は次の降車場まで、乗って行った。
僕の後から降りて来た彼と同じ部署の男は僕に、「シャカシャカ見た?」と問いかけてきた。何を言っているのか最初分からなかったが、アトピーの彼が時折顔の痒みに耐え切れず、手の甲で顔を擦る際に「シャカシャカ」音がするのを、言ってバカにしているのだ。
恐らくアトピーの彼は、世間の好奇の目や、露骨な悪意に何度も晒されただろう。そして、一年くらい一緒に働いている仲間にさえ、そのように言われるのだ。
僕は、とても不快になったが、言い返すまでは至らず、そいつが去ってから、「低脳め」と呟くだけだった。
この感情は、偽善的なものだと思う。
まず、僕がアトピーの彼をバカにする発言に不快を覚えたのは、やはり、彼を健常者として見ていないからである。そこには、同情がある。
それだけではなく、「見た目はあんなでも彼の方がお前よりよほどしっかり仕事してるぞ」と思う気持ちがある。
しかし、その時は感情的に、大袈裟に言えば、正義のように感じたが、ブスデブやハゲなどは、平気で笑ったり不快だと思ったりしている自分は何であるのか。
だから、「そんなこと言うんじゃねぇ」の一言が出て来なかったのだ。
僕も大した人間ではないのである。

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