- 名前
- ベソ
- 性別
- ♂
- 年齢
- 64歳
- 住所
- 海外
- 自己紹介
- 我ハ墓守也。
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さ ら ば、 ラ ン ス。
2013年01月22日 00:47
まさか、こんな日が来るなんて。
去年の夏に、あんたが身の潔白を主張する声明を発表した時、俺は感動したぜ。
特にスポーツを熱心にフォローする訳でもない俺が、毎年関心を持って結果を待ち侘びたのは、モータースポーツを除けば欧州でのあんたの活躍だけだった。
ほぼ全身を癌に侵されたあんたが、治療を経てプロとして復活し欧州で前人未到の7冠という記録を達成した時、興奮しなかった自転車競技ファンは世界にいなかったろう。
癌はあんたの脳にまで転移していた。想像するだけでも身が竦む治療を経て、あんたが競技に戻って来たただけでも奇跡なのに、あんたは世界一の成績をそれから7年連続で挙げ続けた。
超人。鉄人。奇跡の男。
俺はどんな称号もあんたには足りないと思っていたぜ。あんたは正に自転車に乗ったスーパーマン、ツールドフランスのターミネーターだった。
だから、俺にとって間違いなくヒーローの一人だったあんたにドーピング疑惑が持ち上がり、調査が始まった時、俺は苦々しい気持ちだった。
ランスはヒーローなんだ。ドーピングなんかする訳ない。癌から復活した超人なんだから…
去年8月の声明で、米国反ドーピング庁のトラビス・タイガートを名指しで攻撃しているのを読み、俺はちょっと不安になった。
本当に潔白なら、こういう反論をするものだろうか? という疑問が頭を過った。
だけど、それでも俺はあんたの無実を信じていたぜ。死の淵から舞い戻った男が、そんなことする訳ない、と信じた。
いや、信じたかった…
だから、俺はあんたが無罪を主張しているのに有罪を言い渡され、タイトルを剥奪された時、怒り狂った。何てことするんだ、この人は本物のヒーローなんだ!! と言いたかった。
だから、数日前にあんたが、遂にドーピングを認める発言をした時、耳を疑った。
まさか、あんた本当にそんなことやってたのかよ…
と思った。
俺はナイーブに過ぎたのかも知れないが、世界中に同じ気持ちだったファンは何千人もいると思うぜ。
ランス、俺は悲しいよ。
あんたは俺のヒーローではなくなった。
不正な薬物を使い競技に勝利した卑怯者だ。
…
そう思い、暗い気持ちで数日間を過ごした俺。
しかし、今日、あることに思い当たった。
癌に勝利した時のあんたは、本物の英雄だった。
癌はあんたの脳にまで転移していた。筆舌に尽くし難い苦難の果てに治療に勝ち、競技に戻って来たあんた。
その時、薬物に頼る決断をしたあんたを俺は責める。
あんたは汚れた英雄だ。
それでも、俺は癌に勝ち、その後に癌患者をサポートする財団を立ち上げたあんたを尊敬する。
俺は、競技でドーピングしたあんたを許さない。
でも、癌に勝ち、他の癌患者を助けているあんたを尊敬し続ける。
さらば、ランス。
このウラログへのコメント
さらば、癌患者とその家族に限りない希望を与えてくれたヒーロー。
こんなヒーローが、再び現れるやろか…
大好きだった人なら、なおさらガッカリしますね。でも、大変な病気を乗り越えた人は、尊敬します。
> ♪みゅうみゅう♪さん
その通り。ガッカリもしたし、そりゃ残念やった。わしのようなライトなファンでさえこれだけショックやったんやから、世界中のヘビーな、ハードコアのランスファンはそれは絶望したと思う
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