【ツンデレハート】花火大会！

「な、何を見てるのよっ！」
ほへ？
あ。
どうやら僕は見とれていたらしい。
ツンデレちゃんの浴衣姿に。アップに纏めた髪に。うなじに。
「あ、あんまり見ないでよっ…恥ずかしい…」
じゃあ、見ないよっ。
視線をそらし、空を仰ぎ見る。
「見てよっ！」
どっちだよ。
「…せっかく親戚や近所巻き込んで着付けとかしたんだから、見られなきゃもったいないじゃない…べっ別にあなたに見られたくてめかしこんだとかじゃないんだからねっ……勘違いしな」
わかったわかった。
じろじろじろじろ……

「そんなにガン見しないでよっ。何を見に来たの。花火大会でしょ」
いや、ツンデレちゃんを見に来た。
「え？」
だって夏休みだからなかなか逢えないしね。
「な、何を言うのよっ。手段なんていくらでも…じゃなくて、あたしだって…」
ひゅーどどどどんっ

始まったみたいだね。
「綺麗よね」

しばらくじっと花火大会を見ていた。
えと、こういうとき、「花火より君の方が綺麗だよ」とか言うべきなんだよね。
「そんな歯が浮くセリフ、あなたらしくないわよっ」
何故か手がきつく握りしめられてる。

「ちゃんと伝わってるんだからねっ。いちいち言い直すな恥ずかしい」
待ち合わせのとき見とれちゃったからなぁ～。

でも、花火大会っていつか終わるよね。その時に虚しさ感じないかな？

ちゅどおおおん！！！

「んな？」
「すいません～。花火全部引火して爆発しちゃいました～終了で～す。てへっ」
とアナウンス。

終わっちゃった。
「なによなによなによっ！バカヤロー」
叫ぶツンデレちゃん。

「すいません～。縁日は健在なので、それをお楽しみください～」


帰ろっか。
「いや！」

「まだ帰りたくないわよ！！」


続く！？