美しき醜態

人は理性ある生き物

原始的な衝動を抑えるのが理性

理性があるから人は生きてゆける


しかし、その理性が本能を縛り付ける

欲望に優等生の仮面をかぶせ、おりこうさんであろうとする

理性という縄で本能を縛り、仮面で目隠しをして、自分の本能を押し隠す


飼い犬とは不思議なもので、首輪をつけて鎖でつないでいるからこそ吠える

首輪を外し、鎖を解き放ち、飼い主が消えれば犬は理性的になる

生きる知恵というものなんだろう



だから、身体を縛り、目隠しをして自由を奪う

身動きのとれない、闇の中へ連れて行く

頼る道しるべは、男の声だけ

その声が、首輪につないだ鎖となる


身体に自由があるということは、意志を働かすことが出来ると言うこと

身体が不自由になれば、意志を働かせることは出来ない

働かせなくていい

理性が届かなくなり、理性に縛られた本能が徐々に解き放される

そう、欲望を縛らなくていい

縛られた身体は、そう心に呼びかける


女性の中には巨大な欲望が眠っている

その美しき野獣が目を覚ます

無限の貪欲さを備えた野獣は、男の欲望を吸い尽くす

天使のような微笑みで、男の心を縛り付ける


気がつけば、縛ったはずの男が、女の魅力に縛られている


それが生き物の本来あるべき姿

男は女に支配される


理性は生きる知恵

本能は生きる力

ほんの夜のひとときは、理性をほどいて力を解放しよう