【妹ラブ！】浴衣姿はドキっとする

機能美様式美を兼ねても、嘗て日本人皆浴衣だったんだよな～。
いつからだろ「日本の戦後」みたいなダサい親父シャツを老人が着るようになったのは……。

「あらあら。みんな、お祭りに行くのよ～」
縁日で浴衣姿のみんなとかち逢う。
「ご機嫌うるわしうございますわ、お兄様」
「どっどうかな？似合うかな」
いいんちょの浴衣には「喧嘩上等！」と書いてある。たは……。
「勘違いしないでよね。あなたに見てもらうために着たんだからねっ……て、違う違う～」
ツンデレちゃん、まじで似合うよ、浴衣。
「お忍びで参上！」
アイドルちゃんも来てたんだ。アップにした髪が艶やかだなぁ～。
「射的で景品取って来たわよ～。みんな食べて食べて」
母さん……お菓子キラー。
「わたしも射的頑張るのだっ。覚悟しろぴよぴよ！」
アドルフさんぬいぐるみを狙って妹が撃つ。
「ぴよぴよ～」
見事に命中、しかし倒れない。
「すまんね。倒れないとゲットならないルールなんだ」と射的屋。
「表に出ろやこらぁ～」
いいんちょが番長モードに
「あらあら、暴力はいけないわよ～。うふふ」
母さん、銃を射的屋のこめかみに当てて言う。
妹よ、諦めろ。アドルフさんは店屋で買ってあげるからさ。
「良かったらこれどうぞっ」
アイドルちゃんが色紙にサインと拇印とキスを着けて、射的屋につきだした。
「な、なんだって～。アイドルちゃんのサインだと！？プレミヤもんだ。ぴよぴよの2つや3つ持ってけ～」
「ぴよぴよ～」
「わーい。アドルフさ～ん。いちゃいちゃ」
「おい見ろよ、生カーマインだ、生カーマイン」
ざわざわ……。
「あらあら。写真撮るならお金取るわよ～」
ちゃっかり黄色い募金箱を抱える母さん。もちろん、トクミツ基金ではない。


ちょいーん
僕は玩具の指環を撃ち落とす。
「！！」
なんか争奪戦の予感が……。

ちゃんちゃん