【魔法少女カーマイン】魔法少女、同時変身！

「あたしは茜に危険を負って欲しくないのよ」
茜の手を振り払う小春。
「わたしだって！小春に危険を負って欲しくないんです。それに……」
自らの過去を思う茜。
「わたしはいつも小春に守ってもらってばかり。たまにはわたしが小春を守りたいんです……」
「茜」
「はい」
「もう、茜はあたしを守ってくれてるよ。茜の親友だから、あたしはあたしでいられる。そんな茜がいる世界をあたしは守りたいの」
ふたりのラウンドドライバが輝き出す。
「「願いのチカラ」が高まってるクポー」
妖精姿のクポーが現れて解説した。
「なればこそ」
再び茜が小春の手を握る。強く。
「ひとりより、ふたりの方が、もっとてっとり早く、世界を守ってあげられます」

「ふははは……茶番だな」
嘲笑する管ダフィと、
「ううう～ええ話しや～」
感動の涙を流すアドルフ。
「アドルフ様、敵に感動しないでくださいよ」

「もう、わかったわよ。こういう時はテコでも動かないからね、茜」
「共に闘います！小春」

【変身バンク】
「ウィ　ウィッシュ　リインカーネーション！」
ラウンドドライバを掲げるふたり。
瞬時にふたりは全裸になる。
まずはオーバーニーソが装着され、ふたりは楽しそうに微笑みながら向き合い、両手を繋ぐ。
裸→下着→ワンピ→ジャケットと星ぼしのような光と、夕陽のような光が纏われ、ふたりとも髪が増量。茜の髪型はツインテールに結い直され、夕陽をあしらった飾りがカチューシャにつく。
小春の星型のイヤリングなどの小物が装飾され、ふたり仲良くクルクル回り、決めポーズで止める。
「茜色に染まる風、夕陽の魔法少女・カーマイン！」
「星ぼしを繋ぐ紫紺、夜空の魔法少女・コバルト！」

「ユニット名決まってないや」
即席だから仕方がない。
「う～ええのお～」
鼻血をポタポタ落とすアドルフ
「アドルフ様、なぜにダメージが？」
「敵ながら天晴れ。相手にして不足なし！我はアドルフ。ネオバビロニアの4将軍のひとりだ。いざ、尋常に勝負だ！」
「あんた、敵ながら感じ良いねぇ。負けないわよ」
アドルフを指差す小春。
「コアラッパー」
ボエーボエー
コアラッパーネガイナーがラッパから次々と衝撃波を放つ。
飄々とかわす小春と、バリアで受け止める茜。
「きゃっ」
防ぎきれず、若干あとずさる。
「ちぇすとー！コバルトメガアイシス…ってあれ？出てこない」
小春はコアラッパーに大技魔法を仕掛けるが出てこない。
「この前はなりたてだから、魔法力がありあまってたクポー！通常はそう簡単に高位魔法は使えないクポー」
「説明好きな先生ですねぇ。じゃあ、消費をセーブすれば使えるですね。カーマイン・フレイム！」
小さな火炎弾を撃ち、コアラッパーのユーカリ刃に当てる。
チリチリと焼けるユーカリ。
「コアラッパー！……全国大会！」
「なんだ？ネガイナーが喋った？」
驚くのは管ダフィだった。
「強力な「願いのチカラ」が声になるのだ。このラッパは吹奏楽の全国大会に行きたいという願いがあるらしいな」
またも説明的なアドルフ
「ふははは！全国大会で目立ちたいか。なんと小さなつまらない、邪な願いだ！」
ポカリ。
殴ったのはアドルフだった。
「なめるな」
「そうです！ラッパの持ち主……ええと長井さんの願いの意味は目立ちたいだけではないはずです」
「やば……茜怖っ。逃げた方がいいよ」
小春が敵たちに忠告する。
「なんだ？堪忍袋でも切るのか？やってみろや！」
管ダフィが忠告を聞かず、茜ににじりよる。
「その大切な願いを怪物にして弄ぶなんて！……ぶっとばすぞぉ～！」
茜のツインテールが坂立つ。

続く！

【カード紹介】
マジック、「メガフレイア」は炎系の高位魔法だ。