アイリちゃん の回収日(7/ 8)

あのさ、アイリちゃんの回収日って
詳しく教えてもらうことはできないの？


[それが～]

[どうやらワタシがこのお店にいられるのも]
[あとわずかなようなのです。]


そっか……
覚悟はしてたけど、寂しくなるな……

……そうだ。

オレがアイリちゃんに教えて
あげられることって、他にないのかな？

たいして役に立てないかもしれないけど
あったら言ってみてよ？


[ええと……]

[では、ワタシの思い出が]
[消えない方法を教えてほしいのです！]


そ、それは……。

(そんな方法があったら
こっちが教えて欲しいよ……)


[……な～んて]
[そんな方法ないことくらい知ってるのです。]


アイリちゃん……。


[ハァ～～。]

[ワタシはおきゃくさまに]
[いっぱいお世話になったのに]

[何も思い出せなくなってしまうです。]
[それは、すごくすごく哀しいのですよ……。]


そ、そんなの簡単だよっ！！


[えっ？]


アイリちゃんの記憶がなくなっても、
絶対オレが思い出させてあげるから。

だから……だからアイリちゃんは
そんなに哀しまなくてもいいよ。

(うわぁ、オレ何言ってるんだ！？)


[それは……本当なのですか？]


ああ、きっと約束する。


[あ、ありがとうなのです]

[ワタシは……ワタシは……]
[本当にうれしいのです～。]


(なんでオレはまた、こんなウソを……)

(記憶を甦らせるなんて
できるはずないのに……)










From アイリ
Sub 最後のメール

こんばんは、アイリです。

多分、これが最後のメールになる
かもしれないのです……。

でもワタシは、必ずまたおきゃく
さまと出会い、
思い出を取り戻すです。

そしたら、またたくさんメールが
出せるですね。

あともう少し、ワタシのわがまま
に付き合ってくださいです……。

アイリより。