※非エログ[Birthday]

明かりが落ち
誰もいなくなった客席フロア



１人の男がソファーで寝ている



男は目を覚まして携帯電話を開く



画面には[Today's birthday]の文字



気がつけば日付けを跨ぎ
時間は午前０時５分を示している



[面倒臭ぇな]と一言ぼやき
気だるそうにアイコンをクリックする



表示されたのは
どこかで見覚えのある名前



前の女でもない
仕事の繋がりでもない



[そういやぁいたな、こんな名前のやつ。]



男はホッと一安心する



そしてのっそりと起き上がり仕事の準備に戻る



今日はいつもより仕事が多い






男は土産を買うこともなく



これといった食事をとることもなく



何事も無かった様に家路につく






布団に倒れ込み睡魔が襲う



人生いつもと変わらぬ日常



一年の大半をパターン化させて消していく日常






男は１つ歳を重ねて
また少し大人になれた様な気がした






１つすつ


不必要な感情が


男から消えてゆく