デジカフェはJavaScriptを使用しています。

JavaScriptを有効にすると、デジカフェをより快適にご利用できます。
ブラウザの設定でJavaScriptを有効にしてからご利用ください。

冬の雨

2009年12月10日 20:11

2年ほど前のこと

長崎で仕事帰り、冬の寒い日だった。
私はロングコートマフラー、革の手袋をはめいつものように歩道橋渡りバス乗り場へ急ぐ

寒いから早くバスへ乗り温まりたいと思い、足早に歩いていた

ふと歩道橋の真ん中でうずくまる1人の少女が目に入る

うずくまるというよりも崩れ落ち、右手には携帯電話を握りしめ、すすり泣いていた。

初めは通り過ぎ、

あらら、彼氏にでも振られたかね~と思い、まぁそのうち帰るだろ…と思っていた。

白いダウン姿…

通り過ぎて、ふと白いダウン姿で思い出した。

学生時代家庭教師を4年間していたことがあった

担当は女の子、特にできる子ではなく、普通の成績。色白で小さな女の子だった。

小6~中3までみたが、高校入学と同時に自分は就職…無事に送り出した
Aちゃん(仮名)
主に宿題高校受験の勉強を教えており、勉強以外には雑談で最近の若い子だから彼氏がどうとか
さすがに下ネタ倫理上の観点からやめといた

高校受験のときは、不安そうに試験前日に電話をかけてきて

大丈夫、Aちゃんは頑張ってきたから卒業したら買ってもらえる携帯のことでも考えながらリラックスして受けてこい』と我ながら適当な元気付け方をした

そして、合格発表

なかなか連絡がこない


夜、電話が掛かってきた
(あ~あ、ダメだったかな~)と心の中で落ちながらでると…

┓( ̄∇ ̄;)┏

Aちゃん『受かって嬉しくなって彼氏と遊んでた』

あ゛(`Д´*)

やれやれ、まぁよかったよかった

お役御免となり、自分の就職に専念した


新しい携帯でメールを始めて受け取ったのは4月
まぁメールをあまり送る暇も新社会人にはあるわけもなく

返事は一度きりにしておいた

半年以上たった12月

そんなAちゃんがいきなり電話を掛けてきた…

たまたま仕事中だったため、夜かけ直した

まぁよくある失恋というやつだ。中学から付き合っていた初めての彼氏と別れたらしい

はいはい。おじさんはドラえもんみたいなもんね~何でも聞きますよ~

やれやれ、大学とは全く違う地域に就寝した俺に話すこともないのに…

とりあえず電話で泣きじゃくって何を言ってるかわからないなか小一時間ばかり相手をした

それから数日後
またもや電話が…


……
………

えっ?何?クリスマス暇だから会いに来い?

あ゛?(`Д´*)
退屈しのぎに使うな~高速で二時間かかるんだぞ~

といいつつ、教え子の頼みには負け

親にきちんと断りを入れて、夕方6時には帰ると約束した上で

会うことに…

そのころ、初めてボーナスをもらい、中古車を購入し自分も運転したくてたまらなかったからドライブ

中学時代とは打って変わってさすがは高校生…髪は茶色で白いダウンにミニスカート…しかしながら、全く年齢が合わないからカップルというより兄妹みたいな2人

海が見たいとのリクエストに応え海へ

人もまばらで、カップルなんて真っ昼間にはいやしない(笑)

昼はファミレスランチ社会人一年生には限界です
あとはツリーのあるところへ行き、クリスマスらしくプレゼント…まぁ大したものじゃないけど一応ね

冬だから5時半には暗く、そろそろ帰ろうかと車を走らせていると

となりで少し咳き込んでいた

あ~喘息持ちだからなぁ~あんま外連れまわしたらあかんかったかな~と気遣うと

Aちゃん『いや、大丈夫。楽しかった~ありがと』
ちょっと大人になったね~かわいいとこあるじゃん

(=_=;)教え子に変な気を起こさないうちに帰らないと…

家まで送り、なぜか夕飯をご馳走になり、かつ冬休み宿題を教えるという補習付きのクリスマスを過ごし
帰った…

勿論、そのときの彼女へは仕事だと言ってたので、帰った後のAちゃんからのありがとうメールで修羅場になったことは言うまでもない

年明けにAちゃんはインフルエンザにかかったと本人からメールがあった

そして1月中旬の
冬の雨の日

一本の電話がなる
Aちゃんの実家からだ

やれやれ今度は何やねん

と出た

思わず携帯電話を落としてしまった


………

その日、仕事はズル休みし二時間かかる高速に乗り向かった先は

葬儀屋さんだった

インフルエンザ喘息により肺炎の併発

Aちゃんは16歳の短すぎる一生を終えた

母親からクリスマスお礼に渡そうと、Aちゃんが年末に買ったマフラーを渡された

Paul Smith…高校生には手がでないのではないかと思われるものだった

目から涙がこぼれ落ち、周りを気にせず泣いた、同級生であろう高校生や親戚の方々がいる中、泣いた。






話はもどり二年前、
彼女が亡くなって幾ばくかの月日が過ぎて

目の前で、同じような年頃の子が歩道橋で泣きじゃくっている

心が痛くなった

歩道橋は人通りも多い

誰も手を差し伸べないで通り過ぎる

あの子はAちゃんではない
私は通り過ぎた歩道橋へ戻り、再び彼女の前を通った
まだ泣きじゃくっている



近くのコンビニへ行き、
カイロと温かいお茶を買った。
ただの他人、しかし他人じゃない気がしたのだ。

そして、歩道橋へ戻った。すると、泣きじゃくっている女の子の元へ若いカップルが駆け寄り諭している。
世の中捨てたもんじゃない。
私は、若いカップルに、先ほどからずっと泣き崩れてきっと体が冷えている。と、話しお茶カイロを手渡しその場を去った。

きっと彼らは女の子を助けてあげられる

そして再びバス停

Aちゃんにこれでよかったのだろう?と心へ問いかけながらバスに乗った





今回の話は前回と違い実話です。
ずっと心にしまい込んでいた。
愛でもなく、恋でもない。それでも心に深く刻み、離れることのない話。
やっと書くことができました。

健康的な人は生きましょう。

心に歌を、Mr.Childrenalive

このウラログへのコメント

  • 司郎 2009年12月11日 23:20

    > まるこさん
    また読んで下さい♪まぁこんな話ばかりではなく、普通の話ですが

コメントを書く

同じ趣味の友達を探そう♪

  • 新規会員登録(無料)

プロフィール

司郎

  • メールを送信する
<2009年12月>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31