女体からの誘惑

男に産まれたから
女体からの誘惑は
一生、逃れられない
のかもしれない

心では軽蔑して
どんなに論理的に
対処しようと思っても
体や本能はそれを求める

体や本能が求める事は
真実で、きっと頭で
考えている方が間違っている。

愛とか恋を論理で摩り替えようと
したその時から、自ら真実の愛情を
捨て去ってしまったのだと
気が付けばいい。

そして歪んだ虚構に満ちた
頭で捉えた論理的な真実に、
自然な感情や欲求といった
真実で立ち向かって、
自分自身を取り戻さなければ、
自分という存在が統合する事も
成長する事も不可能なんだ。

でも辿りつく所が
わからない闘いほど
辛いものはない。

それでも人間らしく
生きてゆくには、
自分自身の中に創り上げられた
偽りの真実と闘って、
苦悩や痛みと共に生きる事を
覚悟しなくちゃならない。

男はそのまま育っても
社会が望む男にはならない。
「男として望まれる」自分を
獲得して、初めて社会的に
男と認められる。

そこには真の人間らしさが
存在するのだろうか？

答えは否だと思う。

男とは悲しい苦しい生き物
なのだと思う。だからこそ
女性を求めてしまうのだろう。

偽りの仮面を作る事だけに
生きてきた自分を知り、
対峙し闘い克服して、
そうして手に入れた優しさや
強さは、自分自身の弱さや
無力さをも受け止めていなければならない。

真の大人の男になるには
相当に難しく、相当に強い覚悟と
強さが必要なのだと思う。