ルージュ２

彼女は、本当に嬉しそうに私からの贈り物を受け取った。
綺麗に、包み直して両手で包みを抱擁するようにもち、私を見返した。

　「近くによっていい？」
　「ああ。」

　そお、言うと体がくっ付くほどに椅子をずらした。そして、乾杯をする。
　今まで以上に、寄り添ってくる。と言うよりも、この前から人が変わったかのように、積極的に私に気持ちを表現する。
　私は、左利きのため、いつも彼女は右側に座り、私の右手は彼女の左手と繋がれている。いつもは私から握るが、この前からは彼女方から握ってくる。
　そして、自由な左手でつまみながら、お酒を飲む。彼女も同じだ。

　「ちょっと。おトイレ」

　さっと、席を立った。私は彼女の温もりを残した右手を頬にあて、これからの彼女との営みをしばらく想像する。
　いやらしい、おじさんっていわれる、そのままの姿で、ニヤニヤしているのがわかる。

　「どう？」
　「え？　あ・・。似合うじゃん！。　いいよ。」
　「うふふ」
　「この、ルージュをしてるときは、いつもまさとキスをしているのね、私。」
　「そっか～。赤過ぎるかな？って思ったけど、似合う、似合う」
　「本当に、うれしい。ありがとう！。ねえ、いく？」
　「ああ、行こうか」