- 名前
- カオル
- 性別
- ♀
- 年齢
- 41歳
- 住所
- 千葉
- 自己紹介
- 流れに抗わぬまま ただ惰性に溺れ 人生に揺蕩う 眠れぬ宵に 現の伽を想い 閨所に独り...
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安克羅染
2007年09月22日 01:11
世の中を優しい人間と優しくない人間にわけるとしたら、彼女は優しい人間に分類されるほうだろう。いつも穏和であり、時には友人から「間が抜けている」と評されるほどおっとりした部分もある。口数は少ないが、いるだけでもなんとなく場が和み、「いてもいなくてもあまり変わらないけど、いるとちょっと嬉しい」という存在感の持ち主だ。しかしそんな、怒っている姿を想像できないとも言われる彼女ですら、優しさを失ってしまうこともある。
ふとした拍子に湧いてくる暗い衝動。誰にでも少なからず経験はあるだろう。ありふれた言葉でいえば、腹が立つ、イラつく、ムカつく、そんな系統の感情。普段ならば、常識が抑え、理性が鎮めるそれを、彼女はほんの気まぐれで、あえて消してしまわずに、そのままに育ててみた。
破壊衝動。破滅願望。危険な意志。
病は気から、とは少し違うだろうが、確かに思考が彼女自身に影響した。何故かアングラな知識を持ち合わせていたことも、悪意に具体性を持たせる一因だったのだろう。
目の前にある物を、どうやって壊そうか考えてみる。誰かと話をしながら、手の届く範囲にある物で何回相手を壊せるか考えてみる。手首に刃を当ててみる。線路に飛び込むタイミングを計ってみる。訳もなく腹を立ててみる。意味もなく毒づいてみる。とりあえず睨んでみる。
腹を立てているフリを四六時中していたら、本当に腹が立ってくるのだから不思議なものだ。そんなことを何日も続けるうちに、本人は自覚していなかったが、友人から「何かあったの?」と心配されてしまうくらいに、いつもの柔らかい微笑を失ってしまっていた。
次第に、世界が違って見えてくる。鋭い意思は、神経を過敏にするのだろうか。今まで気にならなかったことが、妙に目に付く。気遣いや思いやりで細かいところにまで目が行き届く、という感覚とは全く別の方向性。いつもの彼女なら抱くことのない「目障り」という感覚が過剰に反応していた。
不愉快。不愉快。不愉快。兎に角、イロンナモノが不愉快。
表面的な変化は少ない。時折表情に滲み出るものの、その黒いモノは彼女の内部を蠢いている。
いつもと変わらぬフリをして、笑顔で話をしながら相手をどうしてやろうかと想像しているのだから、考えようによっては怖そうに見える人よりも怖いかもしれない。今はまだ脳内で妄想するに留まっているが、いずれその意思が溢れ出してしまったらどうなるのだろうか。
――もし私が何かニュースになるようなことをしたら、「あんなことをする子には見えませんでした」とか言われるんだろうな。
彼女はそんなことを考えもしたが、しかし決してそうはならないだろう。彼女の危うさはいわば打算的。色々想像はできても、最後の一線は越えられない。良くも悪くも、そういうことまでできてしまう、器の大きい人間というのがいるものだ。そういった意味では彼女の器は小さいが、しかしその弱さは決して悪いものではない。
だが今はそうであっても、人間は変わっていける。そして成長は必ずしも良い方向に進むとは限らない。このままであれば、いつか本当に突き抜けてしまうかもしれない。彼女はまだ、引き返せる位置に居る。
少々昔の話をすれば、意図的な悪意が彼女を変えているように、彼女の優しさもまた自身が育てたものであった。意識的に顔に貼り付けた微笑――それはそもそも、営業スマイルであったのだけれど――が常に彼女と共にあったために、次第に彼女は笑顔の似合う心になっていった。それは今の彼女とは違い、心地よい変化だったろう。
人は変われる。笑顔を取り戻せば、きっとまた彼女はいつもの彼女に戻れる。
その笑顔は彼女自身の心を守る無敵の盾であり、また、その盾を容易く破るのも彼女の心なのだ。
嘘でも悪意は育つ。逆もまた然り。だから、笑おう。たとえ嘘でも、とりあえず。
笑おう。
とまぁそういう感じで。ここ連日のログで不愉快な思いをされた方もいるかもしれませんが、この場を借りてお詫びさせて頂きます。失礼いたしました。内容が内容なので、コメレスも控えさせてもらいました。
今までの私の評価がどうだったかは人それぞれでしょうが、純粋だとか優しいとか切ないとか、そういった言葉を多く貰っていたと思います。それは私がなりたい在り方で、そういう部分ばかり意識して見せていた、ということもありますが、それらの評価はやはり嬉しいです。
だけど人間、見えているだけが全てとは限らない。言葉だけの世界なら尚更、偽るのは簡単。私が嘘ばかりついていた、というわけではないけど、一面しか見せていなかったのは事実です。
結局何が言いたいのかよくわからなくなってきましたが、まぁ、色んな人間がいるから気をつけましょうね。って感じで。
そして、笑いましょう。
(――ちょっと、やっぱりこれ落ちてないんじゃないの?)
(――いいんだよ。読み手ってのは勝手に解釈してくれるんだから)
このデジログへのコメント
世の中色々ですよね
外観から感じるものよりは
言葉⇒文字から滲み出る本人性
かなとも感じてます
難しいことはわかんないけど
笑うんですね。うん、(▼∀▼)ニヤリッ
…なるほどネ
いろんな見方、考え方、表現の仕方があっていいのではないでしょうか?
…らしくて
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