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言の葉散りゆく頃に

2025年02月20日 01:38

「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。

淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。

世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」




方丈記の一節。




人の出逢いも同じですね。

出逢い、別れ、また出逢い・・・そしてまた別れ・・。

その度に紡がれていく言葉。

心の在り様や、日々の暮らしの中で溢れ出る感情を現し、

時には怒りや悲しみといったものへと姿を変容させる。

枝から離れた言の葉は主の心の色彩を抱き、

まるで淡雪を思わせる追想の花びらのようにひらひらと相手の心へと舞い落ちる。

時としてその葉は雨に打たれ、

激しい音を立てながら地面に叩きつけられることもあるけれど、

同時に、その雨から守ってくれる言の葉の存在を感じることもある。

葉によっては、相手の心に深く沈むものもあれば、

すぐに消失するものもある。



長い間心に深く刻まれた言の葉も

うたかたのように消えゆくことがあるのだろうか。




いくつもの散りゆく葉を抱きながら

いつかその言の葉たちが、昇華されゆくことを願って。

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